Pura Vida!
 
 
 
「 mf 」 で働かせてもらうようになって、約3か月。
 
ありがたいことに、ほんとにありがたいことに、
 
15年間のサッカーコーチ時代に関わってきた教え子たちが、
 
冷やかし半分に、よく遊びに来てくれます。
 
 
 
つい先日、大阪での仕事にひと区切りをつけた、
 
20代半ばの教え子がやって来てくれたのですが、
 
その時のことをブログに書いてくれていました。
 
そう、こんな気持ちを味わってほしくて、「 mf 」 をやってるんです。
 
 

今日は師匠・テツさんが働いているカフェ「mf」に行ってみました。
裏原宿のさらに裏みたいな場所にある
中南米サッカーの匂いがぷんぷん(というかそれしかしない)のお店。
 
 
 
そこに行こう!って人しか来なさそうな
ロケーション・万人受けをまったく狙っていない個性100%の店構え、
かなり好きになりました。
 
 
 
…ん、「裏原宿のさらに裏」は……表?
じゃがじゃがじゃがじゃが。
 
 
 
とにかく、サッカー好きは絶対だし、
そうでなくてもカフェが好きって方なら誰でも一訪の価値ありだと思います。
コーヒーも食べ物も、おいしいですよ。
(次はお腹を空かせて行って「ブラジルカレー」を食べてやる!)
 
 
 
原宿に行ったの、かなり久しぶりでした。
いろいろ変わっててビックリしましたねー。
神宮前の交差点のGAP、なくなっちゃったんですね?
「おいおい、古いよ」とか言わないでね。「おのぼりさん」じゃないからね。
オレは東京生まれレトロロック育ち。悪そうなヤツは、たまに友だち。
 
 
 
ただ、街の空気はあまり変わっていないように思いました。
「若者の街」って感じ。
正確には、「若者だけのための街」かな。
歩けど歩けど、10代~20代の人向けに作られたモノばかり。
高齢化社会ニッポンにおいて、ある意味時計が止まってる街。
 
 
 
そんな原宿を歩いていて、あまり心が穏やかにならない自分がいました。
…違いますよ、「歳をとった」とかじゃないですよ。
 
「若者についていけないオヤジの愚痴」とか言わないでね。
傷つくからね。だんだんそういうの、デリケートになってくるんだから。
 
 
 
街全体の空気がちょっと「閉鎖的」というか、
閉じてるんじゃない?と思ったんです。
 
原宿にいる人たちは、
「いかにも原宿にいる人たち」という雰囲気の人が多かったです。
雑誌のスナップに出てきそうな
「オサレ」な人がうようよいて、なんかすごいなと。
 
 
 
そして思ったんです。
 
この人たちは原宿(のようなところ)の他に、どこにいるんだろうと。
原宿(のようなところ)とは別の場所で、
そこの一部になることができるんだろうかと。
たぶん、できない、もしくはすごく大変なんじゃないか。
 
 
 
私は東京の街であれば吉祥寺が好きなのですが、
あの街にはいろいろなお店やらが入り混じって同居しています。
オサレなセレクトショップのとなりに生活感たっぷりの精肉店があったりします。
お店が混じり合ってれば、人も混じり合います。
若い人が多くはありますが、お年よりも、こどももいる。
 
 
 
原宿が単身者向けのワンルームマンションだとしたら、
吉祥寺は人生いろいろな人たちが間借りするひと続きの長屋です。
この長屋的な姿こそ、街というものの原風景に近いのではないでしょうか。
いや、街に限らず、人が集まる場なら
なんにでもあてはまる原風景といえるかもしれません。
 
 
 
ちょっと息の詰まる原宿を歩き抜け、
ちょっと迷いながらたどり着いた「mf」。
はじめて入る店なのに、妙にほっとしたんです。
不思議ですよね。
それは、お店の出してる「開けた」雰囲気ゆえのものだと思います。
「自由」と言い換えても、もちろんOK。
 
 
 
「mf」は店内が「gol」のショップも兼ねていて、
Tシャツとか売ってます。私も一着買いました。
(テツさん、帰って着てみたらジャストサイズでしたよ。)
 
 
 
そういう商品を見て回ってもよし、
友だちと話し込んでもよし、一人で本の世界にトリップしてもよし。
時間や空間の使い方が自由なんです。
だから心地良くて、ほっとできるんですね。
 
  
 
夕方の風が気持ちよくて、テラス席に座りました。
隣の席に外国から来た方のグループがいて、
英語やらそうじゃない語やら、いろんな言語が聞こえてきます。
ホットジンジャーを飲みながらふと、
「ここ、日本だっけ」とか思っちゃいました。割と本気で。
感覚がいつの間にやら完全に、「旅先」モードだったんですね。
異国でしか感じたことのない自由の感覚が、
あの店には確かにありました。すごい。
でも、テツさんだって半分外国人みたいな人だし、自然ななりゆきかな。笑
まあともかく。
 
 
 
「mf」に居た2時間くらいの間に、
僕が原宿を歩いて感じたモヤモヤみたいなのはどこかに行っちゃいました。
かわりに、心躍る自由の感覚が入ってきてくれて。
それも、モヤモヤをがんばって追い出したって感じではなくて、あくまで自然に。
まるで雨上がりの空から顔を出す太陽が、 
濡れた身体を乾かして温もりをくれるように。
  
 
 
あまり親しくなれなかった原宿という街の中にありながら、
私の大好物「自由」の感覚をくれたあのお店は、
ひんやりとした森の中にできる小さな陽だまりのようなものなんだと思います。
お店を出たあとにも残ったあの「ぽかぽか」感は、
ホットジンジャーのおかげだけじゃ、ない。
そうした陽だまりを決して見逃さず目ざとく利用する猫たちみたいに、
自分にとっての陽だまり、心地よく過ごせる場所を見つけていくことは、
生きていく楽しみの中でもとびきり上等なものの一つではないかと私は思います。
 
 
 
「心地よく過ごせる」の後に、「人」を入れても同じように成り立ちますね。
 
 
 
またひとつ、お気に入りの「ぽかぽか」スポット発見。ブックマーク追加。
また行きますんで、よろしくお願いしま~す。
 

 
 


 
 
 
アリサカ哲 ブラジル、コスタリカと中南米2カ国でサッカーをプレー。好きなシャツはコリンチャンスとクルゼイロ。監督観はマツラナに心酔、という南米フットボールフリーク。 現在、某都立高校サッカー部のヘッドコーチをしながら、将来のビジョンである中南米各国のセニョリータとの歓談を兼ねたサッカースタジアム横でのチョリパン販売権獲得を夢見る。