セカンド、サード ホルヘ三村 2016年1月29日 ホルヘ・ミム〜ラ, ライフスタイル またしても、病関係のネタになってしまった。 昨年7月頃の夜、右下の奥歯が激しく痛んだ。 このままの痛みが続くなら、翌日には歯科医に行こうと決断したほどの痛みだった。 歯磨きをすると血が出た。 こうした場合、血を出し切った方がいいと経験で知っていたので、ブラッシングを続けた。 すると痛みは軽くなり、翌日には収まった。 歯槽膿漏か歯肉炎が原因の歯痛だったようだ。 激しい痛みはこの1回だけだったが、その後も軽い痛みや不快感が忘れたころにやってきたので、 帰国したら歯科医でしっかり治療しようと思った。 なぜアルゼンチンで治療しなかったかというと、保険が効かないから。 我慢できない痛みなら背に腹は代えられぬが、そうでなければ節約する。 アルゼンチンでは、公立病院は無料で診療してくれる。 しかし大勢の患者が押し寄せて長時間待たされるし、予算不足で薬剤や設備が心もとない。 したがって中流階級のほとんどは、民間の健康組合に加入している。 それに入っていれば、提携している病院で無料や廉価で診てもらえる。 費用は、ホルヘの年齢だと、月額1万円ほど。 インフレの影響で、これもどんどん値上がりしている。 だからホルヘはこれに入らず、日本の旅行保険を利用している。 長期間だから相当高いと思われるだろうが、そうでもない。 こうした保険金で保険会社の支払いが最も高いのは、被保険者が死亡した場合に遺族に支払われるもの。 逆にいえば、この金額設定を下げると、保険全体の掛け金を安くすることができる。 妻子のいないホルヘは、ここをバッサリ削っている。 しかし、この保険は歯の治療が適応外。 したがって、日本で治療することにしたのだ。 正月明けすぐに行くつもりだったが、痛風のおかげで1月中旬になってしまった。 向かったのは、これまでに何度もかかったことのある地元の歯科医。 問題の歯は一番奥なのだが、レントゲン画像を見た医師は、「土台の骨が溶けちゃっている」という。 歯自体は根もしっかりしているが、どこかから入った歯周病菌により、骨がやられてしまっていた。 金属の細い器具を歯周ポケットに刺すと、ズブズブ入っていく。 普通は2~3ミリだというのに、侵入を阻止する骨がないため14ミリも入っていく。 このまま放っておくとさらに溶けるので、「抜くしかないな」と医師はいう。 ここまで進んでいると、治療しても効果がないそうだ。 それなりに信頼している医師ではあるが、歯を抜くというのは大事だ。 できることなら、抜きたくない。 そこで、返事は保留して別の歯科医院でも診てもらうことにした。 これまでのいきさつを説明し、「セカンドオピニオンを聞きに来た」と告げる。 しかし、どうもこれが悪かったようだ。 人のいいというか気弱な医師だったので、「抜いたほうがいい」といった医師に気を使ってか、 「それもひとつの方法ですね」などとはっきりしたことを言わない。 結局、何の役にも立たなかった。 今度は状況を一切説明せず、別の医院にサードオピニオンを聞きに行くことにする。 Tweet