12月にアルゼンチンを離れる直前、ゴルフコンペに参加した。
2016年最後のラウンドなので、打ちっ放しで練習するなど万全の準備をした。
さらにアミーゴとはスコアの賭けをすることでも合意。
100打を切る自信は十分にあった。
 
 
しかしスタートホールから大叩きとなり、そのままズルズルとトリプルボギーの山を築きながら終盤に至った。
残り4ホールをすべてボギーで上がっても120打ジャスト。
当然、すべてボギーなどあり得るはずもなく、賭けでの大敗は確定的だった。
するとそこで、雨模様だった空がさらに暗くなり、ピカッ、ゴロゴロが始まった。
スチールやカーボン製のクラブを振り回すゴルフでは、雷に打たれての事故がよく起こる。
ゴルフ場はそれを避けるため、雷が近づくとサイレンなどで警報を発し、ゴルファーを強制的に避難させる。
我々もプレーを中断してクラブハウスへ戻ったが、天候は回復せず、そのまま打ち切りとなった。
これにホルヘは大喜び。
プレーが終了していないので、賭けは不成立だからだ。
 
 
ゴルフを始めて10数年経つが、やればやるほど下手になる。
初めはレッスンプロの指導を受けていたが、とにかくよくダフる。
それを直そうと試行錯誤を重ねた結果、今では基本のスイングとは似ても似つかぬ自己流になってしまった。
たしかにダフリは減ったが、右にすっぽ抜けたり左に引っかけたり、まったく方向が安定しない。
今回の賭けは雷様に救われたものの、そう都合よくゴロゴロ鳴ってくれるはずもない。
そこで一念発起、改めてレッスンプロの指導を受けることにした。
昨年の帰国時に見つけた、家から徒歩20分ほどの八幡山の甲州街道沿いにあるインドアゴルフスクールの門を叩いたのだ。
 
 
そこは打席数3つの小さなところで、プロ1名が最大3名の生徒を順番で指導する。
レッスンは1コマ50分。
月会費制で、レギュラー会員は12000円、平日会員は10000円。
会員になれば、毎日でもレッスンを受けられる。
打席にはカメラとモニターがあり、自分のスイングを確認できる。
指導を受ける打席では、球筋や飛距離、ボールのスピン数も表示される。
小規模ながら、なかなか素晴らしいスクールだ。
 
 
しかし、問題がひとつある。
レッスンプロが4名所属しており、日替わりで1名が指導にあたっている。
この4名の言うことが違うから混乱するのだ。
テークバックはボールから30センチほどは真っすぐ引け、というのがセオリーだが、若いプロは、「はじめに手首をコックしろ」という。
細かなことは四者四様で、それぞれが違うことをいう。
自分に合ったプロを見つけ、その人の日に予約を入れればいいのだが、ホルヘは行ける日には行っているので、「また昨日と違うこといわれた」ということが続く。
 
 
そんな状況で5~6回通い、某出版社関係のコンペに参加した。
「自己流を捨て、一から始める」覚悟でスクールに入ったので、このコンペでも当然、教わった通りのことを実践するつもりだった。
ところがアドレスに入ると4名のプロの言葉が頭の中で交錯し、スイングの仕方がわからなくなってしまった。
悪癖のダフリは以前より酷く、素振りでも地面を叩く始末。
やむなく終盤で自己流に戻したら、4ホール連続でオナーになった。
 
 
しかしその後レッスンを続けるに従い、「言っていることは違うが、求めているものは同じだ」ということに気が付いた。
これで気の迷いは消えたが、長年しみ込んだ自己流スイングの癖はなかなか抜けない。
自分の身体がコントロールできない。
悪戦苦闘の日々だが、これが産みの苦しみだと思って頑張っている。
 
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About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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