寄席とナニコレ ホルヘ三村 2017年2月9日 ホルヘ・ミム〜ラ, ライフスタイル ホルヘはお笑いが好きで、アルゼンチンにいるときもYOUTUBEで漫才を観ているし、NHK国際衛星放送の「日本の話芸」、「演芸図鑑」も必ず視聴している。 最近の漫才は上方勢が席巻しているが、牧伸二が司会をしていた演芸番組「大正テレビ寄席」で育ったホルヘには、東京漫才のほうが親しみやすい。 ということで、今や東の横綱格であるナイツのファンだ。 数年前から彼らの漫才を何度もYOUTUBEで観て、「日本に戻ったら、生でナイツの漫才を楽しもう」と思っていた。 思っているだけでこれまで実現できずにいたのだが、ある新年会が新宿末広亭の近くで開かれた際、ナイツが出演していることを知った。 そこで後日、末広亭へ行き、ついに生ナイツを観ることができた。 末広亭は寄席なので、落語をメインに、「色物」と呼ばれる漫才やコント、漫談、奇術などが披露される。 出演者のほとんどが、テレビでは見かけたことにない芸人。 それでも十分に面白い。 客席は、ほぼ満席。 以前来たときは6割程度の入りだった。 日経新聞によると、二つ目と呼ばれる真打になる前の若手落語家だけが出演する「500円寄席」というのが各地で開かれ、いずれも盛況だとか。 どうやら、落語ブームらしい。 そして、ついにナイツが登場。 ところがネタはYOUTUBEで何度も観たものだったので、少しがっかり。 彼らは売れっ子になった今でもテレビより寄席を重要視し、1日に何件も掛け持ちしているという。 ネタの数も豊富なはずだが、自信のあるものはいろいろな場所でかけるので、当然、こういうこともありえる。 要は、客に運があるかないかだ。 しかし、狩野栄孝やノンスタ井上らをイジったマクラ部分の時事ネタは、これまで聞いたことはなかった。 他の芸人でも爆笑し、入場料3000円の元は十分に取れた。 アルゼンチンにいるとき気になった日本の事件に、「商店街のサンバフェスティバルに火炎瓶が投げ込まれた」というものがあった。 現場が、家から比較的近いからだ。 そこでこの前、野次馬根性で見物に行った。 数か月前のこととはいえ、何かしらの痕跡があるのではないかと期待していたが、そんなものは一切なし。 その代わり、ご近所ですごい名前の医院を見つけた。「屠(と)内科クリニック」というのだ。 「屠」は屠札(=屠殺)の屠で、「ほふる」、つまり「殺す」という意味だ。 なんという名前の医院なのか。 ここに行ったら命が危ないのでは、と思ってしまう。 医院のホームページを見ると、屠というのは院長先生の苗字。 屠聿揚というので中国系らしい。 苗字にするくらいなので、中国では「屠」に違う意味があるのかもしれない。 しかし日本では「殺す」と認識されるのだから、土地の名前を付けるなり、違う医院名にするのが普通だと思う。 あえてそうせず自分の名前で勝負するというのは、腕に相当自信がある名医なのかもしれない。 今度、具合が悪くなったら行ってみよう。 レギュラー放送は終わったがたまに特番がある、「ナニコレ珍百景」に投稿したら採用されるかな。 Tweet