ホルヘはお笑いが好きで、アルゼンチンにいるときもYOUTUBEで漫才を観ているし、NHK国際衛星放送の「日本の話芸」、「演芸図鑑」も必ず視聴している。
最近の漫才は上方勢が席巻しているが、牧伸二が司会をしていた演芸番組「大正テレビ寄席」で育ったホルヘには、東京漫才のほうが親しみやすい。
ということで、今や東の横綱格であるナイツのファンだ。
数年前から彼らの漫才を何度もYOUTUBEで観て、「日本に戻ったら、生でナイツの漫才を楽しもう」と思っていた。
 
 
思っているだけでこれまで実現できずにいたのだが、ある新年会が新宿末広亭の近くで開かれた際、ナイツが出演していることを知った。
そこで後日、末広亭へ行き、ついに生ナイツを観ることができた。
末広亭は寄席なので、落語をメインに、「色物」と呼ばれる漫才やコント、漫談、奇術などが披露される。
出演者のほとんどが、テレビでは見かけたことにない芸人。
それでも十分に面白い。
客席は、ほぼ満席。
以前来たときは6割程度の入りだった。
日経新聞によると、二つ目と呼ばれる真打になる前の若手落語家だけが出演する「500円寄席」というのが各地で開かれ、いずれも盛況だとか。
どうやら、落語ブームらしい。
 
 
そして、ついにナイツが登場。
ところがネタはYOUTUBEで何度も観たものだったので、少しがっかり。
彼らは売れっ子になった今でもテレビより寄席を重要視し、1日に何件も掛け持ちしているという。
ネタの数も豊富なはずだが、自信のあるものはいろいろな場所でかけるので、当然、こういうこともありえる。
要は、客に運があるかないかだ。
しかし、狩野栄孝やノンスタ井上らをイジったマクラ部分の時事ネタは、これまで聞いたことはなかった。
他の芸人でも爆笑し、入場料3000円の元は十分に取れた。
 
 
アルゼンチンにいるとき気になった日本の事件に、「商店街のサンバフェスティバルに火炎瓶が投げ込まれた」というものがあった。
現場が、家から比較的近いからだ。
そこでこの前、野次馬根性で見物に行った。
数か月前のこととはいえ、何かしらの痕跡があるのではないかと期待していたが、そんなものは一切なし。
その代わり、ご近所ですごい名前の医院を見つけた。「屠(と)内科クリニック」というのだ。
「屠」は屠札(=屠殺)の屠で、「ほふる」、つまり「殺す」という意味だ。
なんという名前の医院なのか。
ここに行ったら命が危ないのでは、と思ってしまう。
医院のホームページを見ると、屠というのは院長先生の苗字。
屠聿揚というので中国系らしい。
苗字にするくらいなので、中国では「屠」に違う意味があるのかもしれない。
しかし日本では「殺す」と認識されるのだから、土地の名前を付けるなり、違う医院名にするのが普通だと思う。
あえてそうせず自分の名前で勝負するというのは、腕に相当自信がある名医なのかもしれない。
今度、具合が悪くなったら行ってみよう。
レギュラー放送は終わったがたまに特番がある、「ナニコレ珍百景」に投稿したら採用されるかな。