ベンフィカとチェルシーが激突した
UEFAヨーロッパリーグのファイナルは劇的な展開の末、
チェルシーが昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグに続く
“欧州連覇”を達成する結果となりました。
チェルシーを率いるのはスペインの名将ラファエル・ベニテス。
もはや日本のサッカーファンの間でも
知らない人はいないほどの存在ですが、今の肩書きは暫定監督。
シーズン後の離任は決定的と言われています。
しかし、このベニテスが一躍有名になったバレンシア以降に
率いてきた各クラブで獲得してきたタイトルは凄まじいものがあります。
まず、バレンシア時代には就任1年目となる2001-02シーズンに
いきなりクラブ史上31年ぶりとなるリーグ制覇を達成。
2002-03シーズンはリーグこそ5位に終わりましたが、
UCLで準々決勝まで進出する大健闘を見せると、
翌シーズンは2度目のリーグ制覇にチームを導き、
UEFAカップファイナルでディディア・ドログバ擁するマルセイユを
ビセンテ・ロドリゲスのPKとミスタのゴールで2-0と撃破。
見事にスペインの地方クラブに過ぎなかったバレンシアへ
ヨーロッパのタイトルをもたらします。
次に指揮を執ったイングランドのリヴァプールでは、
なかなか結果を残せていなかった古豪を再生させ、
就任1年目でUCLファイナル進出へ。
ミラン相手に前半だけで3点をリードされるという絶望的な展開から、
スティーブン・ジェラード、ウラジミール・スミチェル、シャビ・アロンソが
怒涛の3連続ゴールで応酬し、最後はPK戦にもつれこんだ
“イスタンブールの奇跡”とも形容される激闘を制し、
アタトュルクの夜空にビッグイヤーを掲げました。
また、2005-06シーズンにはUEFAスーパーカップに加え、
世界一権威のあるカップ戦としても知られるFAカップも獲得。
リヴァプールの復権に大きく貢献したのは記憶に新しい所です。
次のインテルでは半年間という不本意な在任期間しか与えられない中、
12月に行われたFIFAクラブワールドカップで優勝をしっかり確保。
そして今回のチェルシーでも、11月からの就任という難しい状況下でも
きっちりUELを勝ち取ってしまうなど、
カップ戦に関しての勝負強さだけを見れば、
比肩し得る監督は世界中を探してもそうはいないでしょう。
果たして次にベニテスを招聘するのはどこの国のどのクラブでしょう?
おそらく、どんな国のどんなクラブでどんな状況下に置かれても、
きっと彼は淡々と、しかし確実にカップトロフィーを
そのクラブへともたらしてしまうような気がしてなりません。
ベニテスの“次”は果たして?
写真はチェルシーのホームスタジアムスタンフォード・ブリッジです。