ブエノスアイレスでは街中でハカランダの花が咲き乱れている。
街路樹に多く使われているこの木が青紫の花で覆われると、人々は初夏の訪れを感じる。
季節はやや違うが、日本の桜のようなものだ。
英語名がジャカランダ。
日本でも、たぶんそうだろう。
以前、テレビか何かで見たところによると、ハワイのある島では、
移植したジャカランダが子どものアレルギーの原因になるとして、すべて切ってしまったそうだ。
しかし、こちらではアレルギーの話は聞かない。
スギ花粉のことも聞かないので、アルゼンチン人はアレルギーに強いのかもしれない。
さて、ハカランダに彩られたそんな初夏、ホルヘはゴルフコンペで優勝を飾った。
ネット67という見事な成績だった。
もっとも、34という重量ハンディのおかげだが。
こちらのゴルファーは、ほぼ全員がオフィシャルハンディを持っている。
ハンディのないゴルファーには、プレーさせないコースも多い。
ところが日本は月イチ以下のゴルファーが多く、その大部分はハンディを持っていない。
したがって隠しホールなるもの決め、
その日のスコアでハンディを算出するペリア方式とか新ペリア方式なるものが一般的に採用されている。
日系のゴルフ仲間が日本でコンペに参加し好成績を残したが、
それより悪いスコアの人に負けた。
「新ペリエ方式だ、隠しホールだ」と説明されても何のことか理解できず、
もう数年前の話なのに、先日までずっと怒っていた。
そこでホルヘが日本のゴルフ事情と新ペリエ方式を説明したら、やっと納得した。
それからこちらには、日本では一般的な「前進4打」もない。
念のため説明すると、第1打のティーショットをOBゾーン(プレー不可の場所)に打ち込んだ場合、
本来のルールでは1打罰を加えて同じ場所から3打目として打つ。
しかし「前進4打」は、ずーっと前方に設置された場所から、4打目として打つ。
日本には山を切り開いた山岳コースが多く、
ティーショットで谷越えしなければならないこともある。
そういう状況では、素人や下手なゴルファーは何回打ち直してもOBになる。
またゴルフ場側としては、このルールで回転を上げた方が、客をたくさん入れられる。
アルゼンチンのあるゴルフ場が、日本の真似をして「前進4打」を導入しようとしたが、
協会から、「それはゴルフではなく、商売だ」とあっさり拒否されたそうだ。