先日、MULTI MARという海運会社主催のゴルフ大会があった。
 
取引先を招待しての接待なので、グリーンフィーはもちろん呑み食いもすべてタダ。
 
なんでもこの会社、以前は日本の海運大手の支社だったらしい。
 
その関係で取引先には日本企業が多く、知り合いの日系人社長も顧客になっている。
 
大会は通常のメダルプレー(個人戦)の他に4人1組のグループ戦もあり、その頭数合わせでホルヘも呼ばれたのだ。
 
そして、我がグループは2位という好成績を挙げた。
 
 
 
しかし、個人戦の表彰式でおかしなことがあった。
 
「女性の部の優勝は、ネット76のセニョーラ○○」と司会者が告げ、その女性に賞品が贈られた。
 
しかし我がグループの女性が、「私、ネット75なのに、なんで優勝じゃないんだろう」といってきた。
 
そういえば、たしかに彼女のネットは75打だった。そこで主催者にクレームを入れると、
 
「いや、75打はなかった。ちゃんとカードを提出したのか」と強気の答弁。
 
もちろん、カードは提出している。一体、どういうことなのか。
 
 
 
この女性はミツエという日本人。
 
自分のカードには「○○MITSUE」と氏名が記されていたが、
 
日本人の名前に馴染みのないアルゼンチン人にすれば、名前で性別が判断できない。
 
それで、彼女のカードは男性の部に入れられてしまったのだ。
 
公式ハンディを持っているゴルファーには登録番号があり、それもカードに記入される。
 
その番号から性別は分かるのだが、招待コンペだったのでそこまでチェックしなかったようだ。
 
 
 
この大会が行われたコースはエセイサ国際空港の近くで、鉄道のウニオン・フェロビアリア駅から徒歩0分。
 
サッカー同様、ゴルフもイギリスの鉄道関係者によってもたらされたので、古いコースは駅に近いことが多い。
 
しかし、ここはいかにも近すぎる。
 
フェアウェイのすぐ横が線路で、OBを打てば列車直撃の可能性大だ。
 
 
 
アルゼンチンには、このような危険なコースが多い。
 
以前行ったところは、フェアウェイのすぐ右が高速道路になっていた。
 
当時はフェイスが開いたまま打っていたので、ティーショットでも右方向に高いボールが飛び出し、
 
それがさらにスピンによって右へカーブして行くことが多かった。
 
一応フェンスはあるものの、ホルヘの球筋を防ぐ効果はない。
 
バシッと打ったボールが右方向へ上がりフェンスを超え、高速道路上でコーンと快音を残して跳ねた。
 
もし高速で走っている車のフロントガラスにでも当たれば、大事故になりかねない。
 
それ以来、怖くてそのコースには行っていない。
 
 
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About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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