コロンビア戦の1-4というスコアは、全く予想外のものだった。
これは日本だけでなく、コロンビアでも同じこと。
5月にコロンビアへ取材に行った際、100人を対象に勝敗とスコアのアンケートを行った。
サッカー協会関係者、サッカー記者、高校生年代のサッカー選手、A・ナシオナルのサポーター、
建設作業員、大学生、警官、会社員、通行人などさまざまな人たちに訊きまくった。
呑み屋では、「5-0でコロンビアだ」と喚く一団がいた。
人数はおよそ5~6人。5-0というのは特に理由がなく、酔った勢いで「楽勝だ」といいたかったのだと思う。
また、東京は中野ブロードウェイにあるアニメの殿堂「まんだらけ」のことまで知っているオタクは、
「翼がいるから2-0で日本が勝つ」と答えた。
このようなものは除外し、100人の真剣な回答の結果は以下の通り。
コロンビア 2-0 日本 (28人)
コロンビア 1-0 日本 (22人)
コロンビア 2-1 日本 (18人)
コロンビア 3-0 日本 (11人)
コロンビア 3-1 日本 (4人)
コロンビア 0-0 日本 (4人)
コロンビア 1-2 日本 (3人)
コロンビア 3-2 日本 (1人)
コロンビア 0-1 日本 (1人)
ご覧のように4-1の的中者はいない。
除外した酔っ払いの他には、4得点以上を予想した者も皆無だった。
しかもアンケートを行った時点ではファルカオの出場を皆が信じており、
「誰がゴールを決めると思う?」との質問には、ほとんどが「ファルカオ」と答えていた。
得点者として次に多く名前が挙がったのがロドリゲス。
今大会は大活躍で、これまで2得点だったW杯におけるコロンビア人の得点記録を3試合で更新した。
本来は起点となる選手だが、チーム全体の調子がいいと、再びゴール前で彼にボールが戻ってくるのだ。
日本戦ではGKのモンドラゴンが43歳3日で出場し、ロジェ・ミラの42歳1か月8日を更新したが、
16年振りのW杯出場も新記録のはずだ。
彼の同世代にはコルドバ、カレーロという優れたGKが揃い、コルドバがレギュラーで、
モンドラゴンとカレーロがサブを争うという構図が続いていた。
そのため、この歳なのに試合数は50に留まっている。
彼らの先輩が、有名なイギータ。ドリブルで攻め上がるGKだ。
そしてイギータは90年W杯トーナメント1回戦のカメルーン戦で、得意のドリブルを奪われて失点してしまう。
その得点者がロジェ・ミラだった。
イギータの後輩、コロンビアのGKが彼の記録を破ったことに、なにか因縁のようなものを感じる。