PVと街頭観戦 ホルヘ三村 2014年7月4日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ アルゼンチン対スイスをPVで観戦してきた。 場所はレティーロ駅を見下ろす高台にあるサンマルティン広場。 サンマルティンとは独立戦争の英雄で、どこの街にも、といっていいほど、彼の名前が冠せられた道や公園がある。 アルゼンチンで普及しているカーナビの多くは、目的地の正確な住所を入力しないと作動しないらしい。 そこで知らない街や市に行く場合は、「○○市、サンマルティン100番」と入れれば、 だいたいどこにでも行けるという。 PV会場は広場の中の芝の斜面。特大画面が一番低いところに設置されている。 入場は無料だが会場への入場ゲートがあり、スタジアムの試合同様、ここで持ち物チェックが行われている。 さらに、ヘルメットなど重装備を装着した警官隊も配備されていた。 キックオフは現地時間の午後1時。国歌が流れると、皆で「オー、オー」の合唱となった。 アルゼンチン国歌は非常に長く、W杯で流されるのは前奏部分。 歌詞がないので、曲に合わせて「オー、オー」と歌う。 画面にペレが映ると、一斉にブーイング。 集団で観戦することで連帯感が高まるようだ。 日本の試合をここで観戦したという日本人がいたので、どうやらここはアルゼンチンの試合だけでなく、 すべてのゲームを放映しているようだ。 日本戦の時は、日本人や日系人が多数集まったという。 他の国の人たちもそうなのだろう。 異国で、同胞たちが一緒になって祖国の代表を応援する。 こういった場所を提供するブエノスアイレス市は素晴らしい。 試合前から高台のほうは人で埋め尽くされており、ホルヘは下の方で観ていた。 しかし試合開始後も入場者は増え、それがみんな下へ降りてくる。 人の頭が邪魔で非常に観づらくなったので、前半終了と同時に会場を出た。 後半は街の中のテレビで観戦することにしたのだ。 街中は予想通り閑散としていた。 ショッピング街のフロリダ通りも、普段の10分の1くらいしか人がいない。 アルゼンチンが敗れた後に暴動が起こることを恐れてか、中に店員はいるのに、 シャッターや鉄扉を下している店もある。 ホルヘがショーウィンドーのテレビで観戦した家電量販店も、入り口は固く閉ざされていた。 後半が終わるとまた場所を移動。 今度は国会議事堂へ通じるアベニーダ・デ・マジョ沿いの店先にした。 ここもオフィスが多い地域だが、人はほとんど歩いていない。 半ばマヒ状態となった街で、人々は固唾をのんで実況に見入っているのだろう。 決勝ゴールが決まったときは、「ゴール」とも「オオオオー」とも聞こえる絶叫と車のクラクションが溢れ、 空気が揺れる感じがしたほどだった。 Tweet