ボカのドタバタ ホルヘ三村 2014年9月5日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ 2000年代のトヨタカップおよびクラブW杯の常連で、2000年と2003年には世界一に輝いたボカも 最近は精彩がなく、今期も非常に苦しい戦いを強いられている。 昨季はブービーの19位で終わり、フロントはついにリケルメを切った。 そのリケルメは、ユース時代に在籍したアルヘンティノスへ移籍。 しかし、このクラブは現在2部に落ちている。 ちなみにアルヘンティノスはマラドーナを輩出したことで知られ、 小さいクラブながら伝統的にユースの育成に力を注いでいる。 ファンも少ないので、選手を育てて売ることを収入の柱にしているのだ。 10年ほど前に聞いた話では、そのシーズンに、ここのOB30数名が 世界中の1部リーグでプレーしているとのことだった。 リケルメは開幕戦でゴールを決めて勝利に導くも、古傷が悪化して戦線離脱。 最近の彼はこれが多い。 出場すれば活躍するが、欠場ばかりという選手は使いづらい。 監督は不在時用のチームを作るが、戻って来たときはまた彼を中心に据える。 サブを務められる同じタイプの選手がいないので、 異なった2チームで1シーズンを戦うこととなり、他の選手もとまどう。 以前は蜜月関係にあったビアンチ監督とも亀裂が生じ、クラブも休んでばかりの選手に 高給を払い続ける価値が見いだせなくなった。 たしかにリケルメは最大級のスター選手だが、超人気クラブであるボカの試合は 彼がいようがいまいがほぼ満員になるのだ。 こうしてリケルメなしで迎えた今季。 第2節に勝っただけで、4戦して1勝3敗。 しかも0-3,1-3といった惨敗が続いた。 そして第4節終了時、ついに名将ビアンチが解雇された。 後任は39歳のアルアバレーナ。 2000年に世界王者となったときのメンバーでエル・バスコ(バスク人)のネックネームで呼ばれる。 スペインのビジャレアルでも活躍し、監督としてはすでに2チームを率いたが、 ボカの監督としては小物の感が否めない。 木曜日に突如ビアンチが解任され、金曜日に呼び出されて契約し、日曜日のべレス戦が初采配となった。 対戦相手のべレスはここまで全勝と絶好調。 敵地ボンボネーラに乗り込んだボカ戦でも、前半終了間際に先制点をゲット。 しかし後半にボカが3点を奪い逆転し、新監督は初陣を勝利で飾った。 選手と年齢が近く兄貴分的存在のアルアバレーナが、今後どこまでチームを立て直せるか興味深い。 Tweet