スーペルクラシコ ホルヘ三村 2013年5月10日 ホルヘ・ミム〜ラ サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする。 とかいう格言を聞いた覚えがあるが、そんなの嘘っぱちだ。 5月5日にスーペルクラシコが行われた。 ボカは今期から名将ビアンチが復帰。 試合前に、リーベルを率いるJリーグ初代得点王のラモン・ディアスと ビアンチが抱擁するシーンでも撮ろうかと、ホルヘはベンチ前で待っていた。 ボカのホーム、ボンボネーラは、ベンチのあるメインスタンドの敷地が非常に狭い。 したがって普通の椅子席は僅かで、そこからビルのように上へパルコ席(個室)が造られている。 パルコ席はもちろん、メインスタンドは椅子席も入場料がとても高い。 スーペルクラシコならさらに値が上がる。つまり、お金持ちでなければ入れないのだ。 バックスタンド側から入場した選手がサポーターへ挨拶し、バックサイドのタッチライン際で集合写真に納まる。 その間に監督たちは、ピッチを横切ってベンチへ向かう。 数年前までは、カメラマンも集合写真を撮ってから、ピッチを横断してベンチに行くことができた。 しかし今は禁止されたので、集合かベンチのどちらかしか撮れなくなった。 まず初めにビアンチが到着。 そしてラモン・ディアスがやってきたが、ボカのベンチには一瞥もくれず、真っすぐ自分のベンチへ向かった。 挨拶する気はないようだ。ベンチはスタンドの真下で、観客とは目と鼻の先。 そこへ近づいたディアスをカメラマンが狙う。もちろん、ホルヘもその中のひとりだ。 すると、スタンドからディアス目がけて唾の雨が浴びせかけられた。 彼は警官の盾で守られていたため、被害はなし。 しかし無防備なホルヘはどうしようもなく、頭や背中に多数被弾した。 メインスタンドには、お金持ちやハイソサエティの人たちしかいないのにこの様だ。 なにが、「サッカーは大人を紳士にする」だ。 試合中はゴール裏で10歳くらいの子どもが相手選手を口汚く罵っている。 その口調は、とても子どもとは思えない。「サッカーは子どもを大人にする」というのは正しいのかもしれない。 しかし、碌な大人にならないだろう。 試合終盤にはゴール裏席で大量の発煙筒と打ち上げ花火が点火され、その上金網にまでよじ登りはじめて一時中断。 このせいで、次のホームゲームは無観客試合とするペナルティが科せられた。 本当にどうしようもないサポーターどもだが、これがまた、南米らしくて楽しいのだ。 Tweet