先日のチリの大地震は、ブエノスアイレスでも揺れを感じた。
 
天井から吊るしてある照明やコップの中の水が揺れたという。
 
しかし、ホルヘは感じなかった。
 
その時間は家にいて、一杯やりながらリクライニングソファでくつろいでいた。
 
天井の照明は扇風機付きなのでしっかり固定されており、よほどのことがなければ揺れない。
 
背もたれから背を起こしたとき、何かフラフラする気がして、
 
「あれ、血圧でも高いのかな」と思った瞬間があったが、ひょっとするとあれが地震だったのかもしれない。
 
 
 
ちょうどこの地震があった時期、ホルヘは座骨神経痛の恐怖に怯えていた。
 
右の臀部に原因不明の軽い痛みが現れたのだ。
 
以前、左脚の座骨神経痛を患ったことがあり、症状がそのときに似ている。
 
前回は、軽い痛みが数日かけて徐々に強くなり、ある日を境に激痛となった。
 
しかも痛みだけでなく、ビリビリとした強烈な痺れが走る。
 
 
 
痺れはいつもあるわけではないが、ひどいときは20メートルほど歩くと
 
ビリビリとなり、1歩も動けなくなってしまう。
 
しばらく経つと痺れは去るが、歩きはじめるとまた出る。
 
もちろん、まともに日常生活は送れない。
 
 
 
3週間ほどはこれに苦しめられ、治ってからも下腿部に弱い痺れが残った。
 
とにかくえらい目にあったので、その後、座骨神経痛について自分なりに調べてみた。
 
すると、座骨神経痛にもいくつかの種類があり、ホルヘのやつは梨状筋型というものだった。
 
梨状筋という臀部の筋肉が硬直して、腰から下腿へ伸びる坐骨神経を圧迫して起こるのだという。
 
したがって、この筋肉を柔らかくすれば、治療や予防につながる。
 
 
 
そこでホルヘは、ストレッチ2種類と、梨状筋を緩める運動1種類の計3つを、1日3セット実施。
 
最初の2日間は全く効果がなく、痛みは日々増していった。
 
しかし4日目から急転し、5日目にはほぼ痛みが消えた。
 
その2日後にサッカーをしたが問題なし。
 
 
 
まさか、これほど効果があるとは。
 
あの地獄は二度と味わいたくないと常々恐れていたが、
 
ストレッチと運動で簡単に初期治療できるのなら、もはや怖がることはない。
 
 
 
これらのストレッチや運動(筋肉を固くした後、力を抜いて緩めるという簡単なもの)は、
 
ネット検索したら山ほど出てきたものの中から、数種類試して選んだ。
 
掲載者の多くは医師や医療法人。
 
これほど効き目のある方法をネットに掲載すると、患者がいなくなってしまうのではないかと心配になる。


About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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