W杯南米予選第3節のアルゼンチン対ブラジル。
 
試合日の11月12日は大雨の予報だった。
 
外れることを願っていたが予報は的中し、午後から本降りとなり雨脚はさらに増していく。
 
コパ・リベルタドーレス決勝といい、今年は大事な試合が雨に祟られる。
 
 
 
数日前にホルヘは、素晴らしい雨対策を発見した。
 
ゴルフ用の大きな傘を使うのだ。
 
傘が大きければ、それだけ雨を防げるのは当然のこと。
 
発見というのは、傘の柄をズボンの中に入れること。
 
これで傘は安定し、両手は100%撮影に使える。
 
普通の傘では柄が短く、この技は使えない。
 
ただし大きな傘を使うと周囲のカメラマンの迷惑になるので、
 
カメラマン席に座らず、その後方での立ち撮りとなる。
 
 
 
スタジアムまで2キロメートルほどのバス停で降りると、雨に加えて風も強くなっていた。
 
スタジアムはラプラタ河の近くにあるので、そちらから強風が吹いている。
 
道路の歩道寄りは冠水が始まり、道を渡るときはそこを通らねばならない。
 
 
 
スタジアムに近づけば近づくほど低地となり冠水の水嵩が増す。
 
レインブーツを履いていたが、水深がブーツの高さを上回ったので靴の中は水でタポタポ。
 
ズボンは腿までびっしょり濡れていた。
 
 
 
スタジアムに着くと、「今日は中止になりそうだ」との噂が飛び交っていた。
 
この日に行われなければ、翌日に順延になるという。
 
それは、非常に拙い。翌日はゴルフなのだ。
 
 
 
13日には、毎年参加している日本郵船グループの招待コンペがある。
 
ホルヘの知り合いがこの会社のお得意さんなので招待され、一緒にプレーすることになっていた。
 
4人一組のグループ対抗戦なので、欠席すると皆に迷惑をかける。
 
 
 
「頼む、中止にならないでくれ」と願うも、そんなものが届くわけもなく順延が決定。
 
今更替わりの人間は見つからないだろうし、これは困ったことになった。
 
そこで熟考の末、二兎を追うことにした。午後1時スタートのコンペに参加し、
 
それから午後9時キックオフの試合に行く。
 
 
 
ホルヘは車を持っていないので、ゴルフへ行くときは仲間に乗っけていってもらう。
 
招待コンペなので、ゴルフの後に立食パーティーやプレゼントの抽選会などお楽しみがある。
 
仲間はこれを楽しみにしているので、ゴルフ終了後にすぐ帰るのはホルヘだけ。
 
 
 
ゴルフバッグとカメラバッグを持って行き、ゴルフ道具は仲間に預かってもらい、
 
カメラバッグを持って列車でスタジアムへ行くことにした。
 
 
 
幸い、ゴルフ場の近くに駅がある。
 
この無人駅からディーゼルの汽車に乗り、国際空港近くのエセイサ駅で電車に乗り換える。
 
そして、ブエノスアイレス市内のコンスティトゥシオン駅から地下鉄を2本乗り継いでスタジアムの最寄り駅まで行く。
 
所要時間も時刻表も調べず行き当たりばったりだったが、なんとかギリギリで試合開始に間に合った。
 
 
 
試合はメッシ、アグエロ、テベス、パストーレらが不在で劣勢が予想されていたアルゼンチンがペースを掴み、
 
ラベッシのゴールで先制。
 
その後もチャンスはあったものの追加点は奪えず、ルーカス・リマに同点弾を許して引き分けに終わった。
 
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About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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