アルゼンチンのカープ ホルヘ三村 2016年9月15日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ NHKの国際衛星放送で、広島が優勝を決めた試合を観た。 NHKがプロ野球を放送するのは1か月に1回程度。 それほど少ないにもかかわらず、25年振りの優勝という歴史的(?)瞬間を観ることができたのは幸運だった。 実はホルヘ、広島ファンなのだ。 父親は阪神ファンのアンチ巨人。 ホルヘが幼少のころ、広島は非常に弱く、「セリーグのお荷物球団」などと呼ばれていた。 当時はプロ野球放送がゴールデンタイムの花形番組で、いつも巨人の試合を放映していた。 父親の影響でアンチ巨人となったホルヘは、広島が弱いながらも巨人戦に奮闘する姿に惹かれた。 安仁屋、外木場といったピッチャーが好投し、実力差以上の勝負をしていたのだ。 そして、2番・ショート・三村の出現。 後に監督も務めたホルヘと同姓のこの選手は、セカンドなど複数のポジションをこなしていたが、定番はショート。 昔、男の子の遊びといえば野球だった。 まだ空地も多く、場所には困らなかった。 集まった人数をチーム分けし、今度はチーム内で打順とポジションを決める。 4番やピッチャーは希望者が多く、しばしばケンカの元になったりしたが、ホルヘは、「オレ、2番・ショート」といって、いつも無風で当選していた。 そんな生粋の広島ファンなので、1975年のリーグ初優勝には歓喜した。 そして79年に日本シリーズを初制覇したときは、酒屋で缶ビールを多数買い、自転車で近所の友人宅を回り、玄関で強制祝杯を次々と行った。 最近はプロ野球シーズンに日本にいないので選手のことにも詳しくないが、それでもネットニュースで勝敗をチェックしては一喜一憂していた。 今年の6月くらいだったと思うが、地下鉄の階段を下っていると、CARPと背中に大きく書かれた赤いジャンバーを着た人が前を歩いていた。 広島ファンのアルゼンチン人なのだろうか。 もしそうなら、アミーゴになりたい。 近づいて声を掛けようとした瞬間、「アッ、違う」と気がついた。 これはカープでなく、CLUB ATLETICO RIVER PLATEの頭文字を並べたものなのだ。 リーベルのウェアにはRIVERもしくはRIVER PLATEと書かれているのが一般的だが、正式名称の頭文字でCARPとすることもたまにある。 チームカラーが白と赤なので、赤を基調としたものも多い。 もう少しで、「あんた、広島カープのファンなのか」とトンチンカンな声をかけて恥をかくところだった。 Tweet