空き家 ホルヘ三村 2016年12月31日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ 12月23日に帰国した。 この日は言わずと知れた天皇誕生日。 日本の在外公館では、国家元首の誕生日を祝う式典とか行事を行うそうだ。 1996年の在ペルー日本大使公邸占拠事件も、天皇誕生日の祝賀レセプションの際に起きた。 犯行グループであるゲリラは、多くの要人が集まるレセプションを標的にし、約600人を人質にした。 これ以降大規模な行事は控えるようになったものの、祝賀会は開催されている。 しかし12月23日というのはクリスマス直前であり、キリスト教徒の多い国では、他国の元首のお祝いどころではない。 そこで、日にちをずらして開催する。 ペルーの事件は、12月7日だった。 アルゼンチンでも、前倒しにして行っている。 しかし南米の多くの国では、お祝いの前倒しはしない。 何らかのサービスを期待して、行きつけの飲み屋で、「明日、誕生日だ」といっても、1ドリンクおごってくれるどころか、「おめでとう」の言葉もない。 月曜日が誕生日だから、人が集まりやすいその前の日曜や土曜にパーティーを開くということもしない。 前倒しは、縁起が悪いとされているのだ。 天皇誕生日の祝賀会に招待された南米の人たちは、この前倒しをどのように感じているのだろう。 帰国便は今回もカンタス航空。 今回はプレミアム・エコノミーという席で、機内での待遇はビジネスクラスと同等のもの。 座席は大きく食事も豪華だ。 しかし、機体がまずかった。 かなり年季の入ったジャンボ機で、映画を観るシステムが古く本数が少ない。 日本語の吹き替えや字幕の洋画はなく、日本語で楽しめるのはシンゴジラともう1本の邦画のみ。 しかもサンティアゴ→シドニー路線とシドニー→羽田路線の映画が同じ。 シドニーまでのフライトで日本映画は2本とも観てしまった。 もう、観るべきものがない。 そこで、小説を読んで時間を潰そうと思ったら、読書灯が壊れている。 時差の関係で眠くもならず、羽田までが非常に長かった。 せっかくのプレミアム・エコノミーなのに、快適な空の旅とはいかなかった。 ホルヘがアルゼンチンに戻るのは3月末。 それまでブエノスのマンションは空き家となる。 そんな中、テベスとJリーグ初代得点王のラモン・ディアスが空き巣に入られたというニュースが伝わってきた。 テベスは隣国ウルグアイで、4日間に渡る結婚披露宴を行っていたが、その間に自宅を荒らされた。 その直後、今度はラモン・ディアスが被害にあったという。 彼はサウジアラビアのアル・ヒラルの監督だが、シーズンオフでアルゼンチンに戻ってくると、自宅の現金や宝石類がごっそり盗まれていた。 アルゼンチンの治安は日々悪化している。 ホルヘの留守宅もどうなることか。 テベスは今回の件で被害届を出さなかったが、噂されているように来季から中国の上海へ移籍すると、その留守中、味をしめた空き巣にまた狙われるかもしれない。 Tweet