2017年8月31日。
日本代表がロシアワールドカップの出場を決めてくれました。
僕も埼玉スタジアム2002で、その瞬間を幸運にも見届けることができました。
タイムアップの笛が鳴った時。
何か凄く嬉しかったんです。
月並みなんですけど、何か凄く嬉しかったんです。
日本代表が勝ったことが。
これってどういう気持ちだったんだろうなと。
 
 
小さい頃からサッカーをやってきて、例えば小学校の文集には「日本代表になりたい!」なんて書いていましたけど、そう書いた経験を持つほとんどの人と同じように日本代表にはなれず(笑)、それでもサッカーが好きで、サッカーに関わる仕事に辿り着きました。
 
 
僕は凄く恵まれていて、今まで15年近くこの仕事を続けてきた中で、数えきれないぐらい多くの方と知り合い、数えきれないぐらい多くのサッカーにまつわることを教えてもらってきました。
時には深い話をする時もありました。
お酒も入って言い合ったりしたこともありました。
ただ、そんないろいろな過程は結局ここに集約されていくんです。
それは「我々は日本サッカーのために何ができるのか」。
 
 
別にあえて口にはしないけれど、僕が仲良くさせてもらっている方々は、それぞれ立場は違っても、みんなが日本サッカーのためになることを日々探し、日々追求しながら、自らの仕事と向き合っています。
そんな先輩たちの積み重ねに、僕らの世代も少しでも追い付けるように積み重ねられるものを積み重ね、そこへ若い世代のみんなが新たな感性で新たなものを積み重ねていくと。
そんな「日本サッカーのために」という想いの積み重ねが集約された場所こそが、日本代表なんだろうなと思う訳です。
 
 
埼スタの記者席で僕の隣に座っていたのは、言葉でサッカーを伝える方でした。
サッカーに対する情熱は本物。
サッカーに添い遂げる覚悟を抱いた方ですが、基本的には何事にも動じない、クールな印象を持たれている方です。
ところが、その人も浅野拓磨の先制ゴールにガッツポーズを繰り出し、オーストラリアの決定機には思わず悲鳴に近い声を上げていました。
これってやっぱり日本代表の試合だからだと思うんですよね。
日本人だから、日本サッカーのことを真摯に考えているから、思わず自然にリアクションが出てしまうと。
そんな隣の方の熱量を感じつつ、改めて「代表戦って凄いなあ」と感じていました。
 
 
僕はたまたまサッカーを仕事にしていますけど、サッカーを仕事にしていない方でも、「日本サッカーのために」という想いを持って、日々サッカーと向き合っている方はたくさんいらっしゃると思います。
昨日の埼スタに集まった方々も、ほとんどの方がそうだったんじゃないかなと。
「俺の応援で代表をワールドカップに連れていく!」「私の声で代表を後押ししてみせる!」「ワールドカップ出場が決まる瞬間をこの目で見たい!」。
そんなパワーが、発表された59,492人という数字以上のものを、ピッチの選手にもたらしたんじゃないかなと。
そして、その後ろにはさらに数えきれないぐらい多くの方が、我々の日本代表を支えているんだなあと。
 
 
きっと昨日の僕は、ワールドカップ出場を決めた日本代表の後ろに、多くの日本サッカーを支えている人たちの存在を強く感じることができたから、何か凄く嬉しかったんだろうなと、一晩経って改めて思いました。
「何か凄く嬉しい」って贅沢なことですよね。
 
 
いよいよ来年はワールドカップです!
 
 

写真は僕がサッカーを始めた小学校の校庭です。