私事ながら、2月末日で株式会社ジェイ・スポーツを退社しました。
18年間という決して短くはない時間を楽しい仲間と過ごし
数々の貴重な経験をさせてもらったこと
感謝しかありません。
思い出はあり過ぎて挙げ切れないので
1つだけ、入社1年目のことを。
『Foot!』という番組を担当したくて受験し
奇跡的に入れた当時のジェイ・スカイ・スポーツ。
幸運なことにまず配属されたのはサッカーを扱っている制作チーム。
ただ、僕の担当はJ2の中継担当でした。
当時の上司の方針もあり
ひたすら社内で解説実況の皆さんへの出演依頼や
テープの管理、資料の作成に勤しむ日々。
今の現場第一主義的なスタンスとはかけ離れた日常。
僕も世の中をわかってないくせに生意気な感じもあったので
正直上司ともなかなかうまく付き合えず
2週間だけインターンで来ていた大学生が
僕より先に現場へ連れていかれてました(笑)
今ならよくわかります。
能力も経験もないのに偉そうなヤツに
いろいろやってあげようと思わないことも。
でも、当時の僕は自分のことを棚に上げて
鬱屈した思いを溜め込んでいく一方でした。
「会社、やめちゃおうかな」と思ったことも一度や二度ではありませんでした。
特に『Foot!』を作っている現場も身近にあり
作っている人たちも身近にいるのに
そこへ関われないことへの何とも言えない想いもあって
目の前の仕事へ前向きに取り組めていなかったし
根拠のない自信もどんどん萎んでいったことも覚えています。
ただ、僕は人に恵まれたんです。
夏過ぎくらいからは業務をこなすことに少しずつ余裕が生まれ始め
出演者の方々とも中継前の控え室で
サッカーの話ができるようになっていく中で
あることに気付いたんですよね。
「ああ、自分の『サッカー好き』は仕事に生かせるのかもな」って。
昔のマニアックなエピソードとか
解説の皆さんが選手だった頃の思い出とか
そういう話を出演者の皆さんが楽しそうに聞いてくれて、会話してくれて
(半ば呆れながら、だったのかも・笑)
そこでコミュニケーションが図れることで
仕事自体も円滑に進んでいくと。
これに気付いてからは、まず控え室が楽しくなり、
J2の中継業務自体も楽しくなり、
その様子を見ていた上司からも本当にちょっとずつ、ちょっとずつ
認められていったような気がしていました。
結局1年目は一度も試合の現場に行けなかったけれど
年末に上司から初めての”外仕事”を命じられます。
その年の昇格チームだったアルビレックス新潟のインタビューロケ。
ここに同行することを許されたのです。
嬉しかったなあ。嬉しかった。
その時のインタビュー対象だったのが反町康治監督と山口素弘キャプテンで
2人とはその後仲良くなって今に至るのも不思議な縁なんですけどね(笑)
自分の強みってなかなか自分ではわからないもので。
それを気付かせてくれる周囲の人がいるって本当にありがたいことで。
僕はあの入社1年目に自分と関わってくれた出演者の皆さんのおかげで
『サッカーが好きなこと』を強みに
今でもサッカーの仕事を続けられています。
会社はやめちゃいましたけど(笑)
誰かにそっと背中を押してもらえるって、凄く勇気の出ることですよね。
それが些細なことであっても、凄く嬉しいことですよね。
僕はサッカーの仕事を通じて
サッカーが大好きで、サッカーに生きている人たちの背中を
ほんのちょっとでも後押しできるように
これからも自分にできることを
1つずつ積み重ねていきたいと思ってます。