年末に、copa de gol.に呼ばれて参加した。
これはgol.が毎年主催するフットサルフェスティバルで、関係者やスタッフが集まって蹴り収めを行うもの。
さすがスポーツメーカーだけあり、関係者の多くは現役や元のJリーガーとFリーガー。
さらに、キャプテン翼の高橋陽一先生も登場という豪華メンバーだった。
参加者を6チームに分け、ホルヘは赤チームになった。
メンバーは8名。
まずは自己紹介から始まったが、「○○の何某です」「△△の何某です」と、○○や△△の部分がプロクラブ名という挨拶が続く。
なんと8名中4名が現役選手で、1名がプロのリフティングパフォーマーだった。
なんとすごい顔ぶれか。
こんな中に入れてもらうのは、気が引けるというよりもビビってしまう。
「ほぼ素人の52歳です。足を引っ張ります、すみません」というしかなかった。
自己紹介の後、とりあえずキャプテンを決めることになったが、最年長ということでホルヘが指名されてしまった。
こんなメンバーをどう仕切れというのか。
「来るんじゃなかった」と本気で思った。
しかし、案ずるより産むがやすしとはよくいったもので、始まってみればどうってことはなかった。
キャプテンの最大の任務である先発選びも、「はい、じゃあ左から5人が先発」とザクっと無責任に決め、
適当に時間が経過したら、「そろそろ誰か替わって」とベンチから叫べば選手交代もスムースに行えた。
調子に乗って、第4試合では自らを先発に起用。
このレベルでは、スタミナがもつのは2~3分だと思ったので、短期間でやれるだけのことをやって素早く交替しようと思った。
自分なりにガンガン行こうと決めたので、ドリブル突破などという無謀なことも試みた。
左サイドからゴール正面を目指したが、さすがに守りは厚く右サイドへ押しやられた。
そこで、やむなく後方へパス。
自分がいたスペースを空けるつもりで中に移動したら、パスが来た。
前を見ると、ゴールまではやや距離があり、マーカーも離れている。
「どうしよう」と一瞬迷ったが、「えーい、打っちゃえ」と開き直りシュートを放った。
飛んだコースもよかったが、トゥキックだったのでGKが意表を突かれ、見事に決まった。
チームは3位という成績だったが、ホルヘはこの1点を取ったことで大満足。
夜は呑み屋で、常連やマスター相手に得意気にこの1点の話を語った。
しかし、だいぶ酔いが回ったところで、あの後にもう1点取ったことを思い出した。
トゥキックの1点だけだと思い込んでいたが、たしかにもう1点決めている。
なぜ、2点目が記憶の中から消えていたのだろうか。
どうやらホルヘの脳は、酒毒に相当蝕まれているようだ。