アルゼンチンワインの産地は、チリとの国境に近いアンデス山脈の麓の街メンドーサ。
昨年、W杯予選のアルゼンチン対ウルグアイがここで行われたので、ついでに醸造所見学をしてきた。
醸造所はボデーガといい、観光地であるメンドーサには、いくつものボデーガツアーが用意されている。
ホルヘは、ネットで安いホテルを予約した。
ところがここはホテルでなく、いわゆるユースホステルだった。
当然、宿泊客は若者が多い。
メンドーサには数軒のユースホステルがあり、それらの客を対象としたツアーもある。
料金が安く、活動的な内容のものが多い。
ホルヘが参加したのはバイク&ボデーガという、自転車でボデーガを巡るツアー。
市内からミニバスで1軒目に行き、そこからは自転車で約10キロメートルを走りながら2軒を訪ねる。
ボデーガではワイン造りや呑み方の説明があり、もちろん試飲もできる。
1軒目は小規模なボデーガで、近代化されていない昔ながらの製法が守られていた。
ワインのボデーガは日本酒の醸造所と違い、原料であるブドウを敷地内で栽培している。
このボデーガではブドウを有機栽培しており、それが売り物だという。
日本にも輸出しているというが、どうも名前が拙い。
CECCHIN(セッチン)というのだ。
最近は使われない言葉とはいえ、「せっちん」は「雪隠」と書いて便所のことだ。
はたして、ここのオーナーはそのことを知っているのだろうか。
ここから2軒目まで自転車移動。
未舗装の道が多いので、自転車はオフロードタイプの立派なもの。
ペダルのギアと後輪ギアの両方が変速できるようになっている。
しかし、やはりアルゼンチンだ。メンテナンスが甘い。
ホルヘの自転車は途中でギアが故障。ガイドが応急処置をしたが、一番軽いギアでしか走れない。
舗装された街道では、一列となった一行はかなり飛ばす。
これに、この軽いギアで付いていかねばならないのだ。
市内から乗ってきたミニバスが伴走しており、これに乗ることもできた。
しかしそれをすると、他の若いツアー客からバカにされるのではないかと思い、ペダルを競輪選手並みにフル回転させて前を追う。
2軒目に着いたときは、全身汗まみれで脚は痙攣していた。