現在、ワールドカップ南米予選で本大会出場圏内の3位に付け、
久々の“世界”が現実味を帯びてきているコロンビア代表。
主力選手は軒並みヨーロッパでプレーしており、
その個々のポテンシャルも含めて、再び世界中の注目を集めています。
コロンビアが世界的に脚光を浴びるキッカケになったのは、
ベスト16進出を果たした1990年のイタリアワールドカップ。
いまだにライオンヘアーと正確なインサイドキックが記憶に刻まれている
異能のファンタジスタ、カルロス・バルデラマと、
バックパスがまだ許されていた時代に華麗な足技を誇り、
ゴールキーパーながら積極的にエリア外へ飛び出していくなど
時代を先取りしていたレネ・イギータという2人のスターを擁し、
その脇をフレディ・リンコン、アンドレス・エスコバル、ベルナルド・レディンなど
実力者が固めるメンバー構成で、魅力的なパスサッカーを披露。
最後はカメルーンに延長で屈しましたが、
そのスタイルは大いに世界が認める所となりました。
4年後、アメリカ。
南米予選でアルゼンチンを5-0という衝撃的な大差で下すなど、
一躍優勝候補に挙げられる中でワールドカップを迎えたコロンビア。
ところが、初戦でルーマニアに1-3と敗れると、
続く開催国のアメリカ戦も1-2で敗戦。
国民の期待を裏切り、グループリーグ敗退となった大会後には
エスコバルが射殺されるという痛ましい事件も。
1998年のフランスワールドカップにも出場したものの、
またもグループリーグで姿を消すと、
以降はすっかり表舞台から遠ざかることになってしまいます。
そんなコロンビアに彗星の如く現れたストライカーが
アトレティコ・マドリーでゴールを量産しているファルカオ・ガルシア。
ディエゴ・シメオネ監督の下、アルゼンチンのリーベル・プレートで
頭角を現わすと、初めての欧州上陸となったポルトでも
加入初年度の2009-10シーズンにいきなりリーグ戦25ゴールで
得点ランク2位に入る大活躍。
翌シーズンはヨーロッパリーグでの10試合11ゴールという
驚異的な得点率で欧州制覇に貢献し、
その数字を引っさげて加入したアトレティコでも
加入した2011-12シーズンから順調にゴールを積み重ね、
個人でのヨーロッパリーグ2シーズン連続得点王と連覇を経験。
リーグ戦でもメッシとロナウドに次いで得点ランク3位に輝き、
一躍トップストライカーの仲間入りを果たしました。
他にも長友佑都のチームメイトに当たるインテルのフレディ・グアリン、
ミランでもレギュラーポジションを掴んだ感のあるクリスティアン・サパタ、
ポルトでリーグ得点ランクトップを独走するジャクソン・マルティネス、
そしてウディネーゼで結果を出し始めている弱冠22歳のルイス・ムリエルなど、
ヨーロッパでも注目銘柄として名前が挙がるような
逸材が現代表にはずらりと顔を揃えており、
国民も久々のワールドカップ出場を熱望しているのは間違いありません。
南米予選では6試合を残して、
前述したように勝ち点19の3位に付けているコロンビア。
次のゲームは首位アルゼンチンとのアウェイゲーム。
この一戦は単なる予選の1試合ではなく、
コロンビアにとっては国の威信を懸けた重要なゲームになるでしょう。
コロンブスからその名を授かった南米の雄。
雌伏の時を経て、再び世界という名の大海原へ打って出る準備は整いました。
写真は僕のコレクションシリーズ、98年W杯のステッカーです。