関東の強豪チームが居並ぶ高円宮杯プリンスリーグ関東。
そのトップカテゴリーとも言うべき舞台に
今年から昇格したチームの1つが水戸ホーリーホックユースです。
過去には4人のトップ昇格者を出すなど、
育成面では一定の成果こそ挙げているものの、
所属するIFA(茨城県リーグ)1部ではなかなか上位に入れず、
県内でもその存在感を発揮するには至らなかった水戸ユースでしたが、
昨年クラブOBの樹森大介氏を監督に招聘すると、
水戸商業や鹿島高校など難敵を抑えて、見事県IFA1部を制覇。
その勢いで群馬の雄・前橋商業とのプレーオフも勝ち抜き、
今シーズンから関東へと挑戦する権利を獲得したわけです。
「昨年就任した時にはプロになろうという集団ではなかった」と話すのは樹森監督。
ただ、鹿島アントラーズユース以外には
自前の人工芝を持つ高校年代のチームがないという県内事情の中、
ツインフィールドという人工芝のピッチを使用できるなど、
練習環境は県内における同年代の中でもトップレベル。
今年は県外からも積極的に選手を招き入れ、
トップチームの選手も入居している独身寮で一緒に暮らすなど、
様々な周辺環境も整備されつつあるそうです。
とはいえ、肝心の成績はここまで4試合を消化して4連敗。
取材に伺ったゲームも、昨年のインターハイ準優勝で
全国的にも高校サッカー界の古豪として有名な武南相手に
終盤までは1点のビハインドで踏ん張ったものの、最後は2点を追加されて完敗。
樹森監督も「最後は力不足がハッキリしていた」と潔く敗戦を認めていました。
スタメンに4人の1年生が顔を並べ、3年生はベンチ入りも含めて5人と
非常に若いチームで構成されている今の水戸ユース。
そんな中、「こういう所で毎週戦う中で、彼ら自身もしっかり変わってくれて、
やってやろうという雰囲気になっている」と指揮官も語るなど、
緩やかではあるものの、確実に選手たちの意識も変わってきているようです。
「毎週モチベーションを持ってトレーニングもしっかりできている。
あとは結果の1つでも出れば、またどんどん自信を持ってできると思う。
結果を出すチャンスは絶対あると思います」と最後に言い切った樹森監督。
35歳の青年監督と、その指揮官に率いられた青の戦士たち。
彼らの未来には結果だけではない“何か”が待っている気がします。
写真は関東の舞台に立つ水戸ユースです。