先日、静岡が誇る高校年代の国際大会、
SBSカップ国際ユース大会に行ってきました。
今回で37回目という歴史ある大会の最終日に開催されたのは、
勝った方が優勝という、“決勝戦”。
U-18ウルグアイ代表とU-18ロシア代表を共に倒し、
2連勝となったU-18日本代表と静岡ユースが、
最後の1試合で雌雄を決します。
この静岡ユースはその名の通り、
静岡県のチームに所属する選手だけで構成されたチーム。
今回は清水エスパルス、ジュビロ磐田のJクラブと、
静岡学園、藤枝東、浜松開誠館の高校勢から精鋭が集い、
いわば“ホーム”でタイトル獲得を目指して結成されたチームなんです。
ただ、関係者から話を聞いた所によると、
今回の静岡ユースは3年前の山口国体で
見事に全国優勝を成し遂げた選手たちを中心にしたチームということで、
チームを率いているのも当時から指揮を執っている廿日岩亮監督。
その廿日岩監督曰く
「国体をスタートとして約3年間僕が監督をやらせてもらいましたけど、
その集大成ということで、最後に優勝を懸けて
日本の代表と県選抜のラストゲームをやれるというのは
これ以上ない幸せなことだと思う」とのこと。
試合前には「静岡の誇り」「静岡の魂」という部分を強調して
このチームで迎える“ラストゲーム”のピッチへと
送り出したという話もしてくれました。
三浦弦太や松本昌也など、J1での試合出場経験を持つ
“早生まれ”のJリーガーもメンバーに名前を連ねている
U-18日本代表に対して、全員が高校生で構成された静岡ユースは、
前半から互角に近いゲームを披露。
何回か決定機を創り出し、ホームの観衆を沸かせます。
後半も押し込まれる時間を強いられながら、
懸命に耐えつつ、機を見たカウンターで応酬するなど、
王国の名に恥じない戦いぶりを続け、
終盤まで試合は0-0で推移。
しかし、大会規定によるPK戦での決着が濃厚かと思われた終了間際の79分、
一瞬の隙を突かれて失点を許すと、もう時間は残っておらず、
残念ながら“ラストゲーム”で優勝を勝ち取ることはできませんでした。
試合後の会見で「結果は残念としか言いようがないんですけど、
内容的な部分も選手は本当に良くやってくれて、
今までのこのチームの中でも
最高のゲームができたんじゃないかと思っています」と語った廿日岩監督。
“代表”相手に素晴らしい戦いを繰り広げた静岡ユースには、
エコパに集まった7000人を超える観衆からも
小さくない拍手が送られていました。
「自分自身も本当に彼らに助けられて、
国体から始まって今日のSBSの最終戦を迎えるまで、
すごくいい経験をさせてもらいましたので、
そういう意味で選手たちには『ありがとう』という言葉を言いたいです」と
会見の最後に力をこめた廿日岩監督。
確かに彼らの中には“王国”だけが持ち得るプライドが
しっかりと息づいていた様に、私には見えました。
彼らの今後にも是非期待したいと思います。
写真は試合前の両チームです。