ゴール裏からの景色 土屋 雅史 2019年9月21日 土屋雅史, 日本サッカー 去年から「Foot!THURSDAY」で 高円宮杯プレミアリーグを中心に 高校生の試合をハイライトでご紹介するようになって 撮影しているカメラの横でその試合を 見る機会が増えてきました。 普通に考えれば中央の少し高い所から 試合を見るのが一番戦況を把握しやすいのは わかっているんですけど たとえばスタジアムで開催される時も あえてスタンドの高い所には行かず ゴール裏で見ることが最近は大半です。 そこにいると感じられるんですよ。 選手たちのより生々しい息遣いが。 チームメイトヘの指示。 ベンチからの叱咤。 自分に対する憤り。 いろいろなものが見えてくるんです。 中でも僕が好きなのは ラインを割ったボールを返してくれた ボールボーイへの反応。 この一瞬に選手の性格が透けて見える気がします。 真夏の群馬で行われた クラブユース選手権。通称“クラ選”。 もうグループステージ敗退が 決まっていたヴィッセル神戸U-18の試合を 取材しに行きました。 その日もポジションはゴール裏。 そこにいたのは僕とボールボーイの2人だけ。 特に金網やネットはなく 広大なスペースがそこには広がっていました。 シュートが枠を外れ 毎回走って取りに行くボールボーイの返球に その選手は必ず「ありがとう!」と 律儀に繰り返していました。 少なく見積もっても5回はあったかなあ。 ヴィッセル神戸U-18のGKを務める 多久美景紀選手。 ゲームは負けてしまったから 試合後に話を聞く機会はなかったけれど いつかあの「ありがとう!」も含めて ゆっくり話してみたいなと思っています。 絶対にいいヤツなんだろうなあという 確信めいた想いはあるので 今からその日が来るのが楽しみです。 Tweet