メトロブス ホルヘ三村 2013年8月30日 ホルヘ・ミム〜ラ ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)が世界一広い通りだと自慢するヌエベ・デ・フリオ大通りで かねてから行われていた工事が終わり、以前は中央分離帯だったところがバス専用レーンになった。 この新システムは「メトロ・ブス」といい、11路線が走っている。 それぞれが定められた停留所に止まるのだが、これはバス停というより電車のホームのようになっている。 そしてこのホームが延々と続いており、大通りを歩くなら、歩道よりもここを通ったほうが気持ちいい。 距離は僅か3キロメートル程度ながら、以前はラッシュ時に大混雑していた。 専用レーンの開通で、通勤客のストレスは大幅に減った。 またこの工事に合わせ、コンビと呼ばれるミニバスの発着所も地下に造った。 ブエノス郊外には、カントリークラブやバリオセラードという住宅地が多い。 日本ではカントリークラブがゴルフ場と同意義で使われるのが一般的だが、 こちらではゴルフコースやテニスコート、馬場、プールなどが併設された閉鎖型住宅地を指す。 バリオセラードは、それの娯楽施設がないもの。 本来は小金持ちが週末の別荘として利用していたが、現在は本宅としている人が多い。 そこからの通勤手段がコンビなのだが、以前はヌエベ・デ・フリオ沿いに何台も駐車していたため、 これも渋滞の原因となっていた。 元ボカ会長のマクリ市長による交通改革は目覚ましいものがある。 その一方、全然良くならないのが鉄道だ。 ホルヘは先日、知人と一緒にレティーロ駅から出るミトレ線に乗った。 まずは切符売り場に行くのかと思ったが、この知人が「切符はいらない」という。改札でのチェックがないのだ。 そのため、誰も切符を買っていない。 彼が以前売り場に行ったら、そこの職員から「買う必要ない。行け行け」と言われたそうだ。 利用客にとっては嬉しいことだが、結局その補てんは国庫から出すことになる。 運賃は元々非常に安い。これは国が補助金を出しているため。 しかし利用者から徴収せず、補助金と国庫任せというのはあきれたものだ。 この線に乗るのは数年振りだが、そのときに比べて凄く遅い。 ディーゼル機関車でなく電化された路線なのに、何度も止まるし動いてもノロノロ。 後日鉄道に詳しい人に聞いたのだが、予算不足でメンテナンスが出来ないため、 線路はウネウネと曲がっているのだという。 だから脱線しないよう、慎重にゆっくり走るそうだ。 そういえば、ニュースでもしょっちゅう脱線の報道をしている。 結局御破算になったが、アルゼンチンでも新幹線のような高速鉄道建設の計画があった。 メンテナンス意識の低いこの国で高速鉄道が走ったら、一体どんなことになるのだろう。考えただけでゾッとする。 Tweet