1種と2種、プロとアマチュアの垣根を全部とっぱらい、
あらゆるカテゴリーのチームが
「元旦に日本一を懸けて戦う」という夢を見ることのできる天皇杯。
土曜日と日曜日、そして来週の水曜日に
2回戦が行われることになりますが、
その中で特別な想いを持って古巣と対戦する選手がいます。
熊林親吾、32歳。ブラウブリッツ秋田所属のMF。
Jリーグ6チームを渡り歩き、
昨年末に一旦は現役引退を決意したものの、
熱心なオファーを受けた、地元からJリーグを目指すチームへと加入。
JFLを舞台に戦うチームの中心として、
変わらないセンス溢れるプレーを続けています。
そんな彼が土曜日に凱旋するのは
杜の都に聳え立つユアテックスタジアム仙台。
2006年から2007年の途中まで
1年半在籍していたベガルタ仙台での数字は
リーグ戦47試合3得点。
特に移籍初年度となった2006年は
中盤のレギュラーとして41試合に出場し、
昇格争いを繰り広げたチームの中核として活躍。
Jリーグ屈指の熱狂度とも称される黄金のサポーターの中でも、
いまだに彼の雄姿を覚えている方は
少なくないんじゃないでしょうか。
「秋田に帰ってきたつもりはございません。
このチームを選んだと、そういう気持ちしかありません。
それがたまたま秋田県出身で地元のチームであったということです。
このチームを選んだという事、そしてこのチームにすべてを捧げるつもりでいます。
東北の震災から子どもたちの笑顔が減って、
そのために何かできるのかということを考えると、
秋田にJリーグのチームがあれば、東北の子どもたちにとって
プロを目指せるチームが増やせるという単純な思いもありますし、
やはり秋田県のサッカーが最近寂しいと
個人的には思っているところもありますので、
そういった所から変えたいとも思っています」と
入団会見で不退転の決意を語った熊林。
こんな熱い想いを抱えた男が
故郷のチームと共に果たすユアスタ凱旋にも
是非注目してみて下さい。