以前にも書いたが、ブエノスアイレス市には無料の貸し出し自転車がある。
 
身分証明書など必要書類を揃えて登録すると、自転車ステーションで自転車を借りられる。
 
返却は、どこのステーションでも構わない。
 
ちなみに現在ステーションは57か所ある。
 
 
 
IOC総会中、ホルヘは東京招致委員会のあるホテルまで毎日通った。
 
家の近くにもホテルの近くにも自転車ステーションがあるので、これは都合がいい。
 
しかし借りようとしたら、「あなたには貸し出し停止中です」といわれた。
 
 
 
この前日、前回書いたように猪瀬都知事のジョギングを自転車で取材しに行った。
 
しかしスタートが予定より大幅に遅れたため、規則である1時間以内に自転車を返却できなかった。
 
このペナルティとして、1週間の出場停止、じゃなかった、貸し出し停止処分を喰らってしまったのだ。
 
 
 
ホテル内に設けられたプレスルームでは、連日記者会見が行われた。
 
これは東京のアピールが目的なので、主な対象は外国メディアとなる。
 
したがって、スピーチの基本は英語だ。
 
英語が苦手な記者のためにレシーバーも用意されており、日本語とスペイン語の同時通訳を聞くことができる。
 
 
 
新旧のメダリストやオリンピック選手が出席した会見では、冒頭に数名がアスリート宣言というスピーチを行った。
 
この中には、女子体操の田中理恵もいる。
 
しかし英語が苦手なのか準備不足か、スピーチは原稿を棒読み。
 
常に目線が原稿に行っていたので、スピーチ中は、眼がパッチリとした可愛い顔を撮るのが難しかった。
 
 
 
翌日は猪瀬知事、滝川クリステル、そして前日に引き続きフェンシングの太田選手が登場。
 
「東京が誇ることとは」という質問に対し、知事は、「電車が時間通りに運行する。これは、当然のことです」、
 
「財布を落としても戻ってくる。これも、当然のことです」と答えた。
 
財布が戻ってくるのが当然というのはオーバーだろうが、たしかに諸外国に比べて戻ってくる確率は数段高い。
 
ホルヘの知り合いのチリ人のカメラマンが電車の中にバッグを忘れ、
 
当然戻って来ないと諦めていたのに戻って来た時は、「日本は信じられない国だ」と驚いていた。
 
 
 
東京開催が決まった2時間半後、ホテル内のサロンで祝勝会が開かれた。
 
敗れた場合を想定してか、当初の予定では「報告会」となっていたが、会場には堂々と「祝勝会」の文字がある。
 
猪瀬知事のスピーチと森元総理の乾杯でスタート。
 
途中から安倍総理も加わりボルテージはさらにアップした。
 
 
 
応援ツアーで訪れた一般客もこの会に参加し、アスリートらと記念撮影を楽しんだ。
 
また彼らへのプレゼントとして、記念Tシャツも配られた。
 
4色でそれぞれ違うデザインだが、青色には大きく「決定」の文字。
 
当然、これが一番人気となった。
 
 
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ホルヘ・ミム~ラ
ラテンのフットボールを愛し、現在はDieguitoアルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。
取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企てては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。
ヘディングはダメ、左足では蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。
女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。