「東京から東京へ」、7年後への飛翔 土屋 雅史 2013年10月6日 土屋雅史 先週東京で行われていました、国民体育大会、通称“国体”。 サッカー競技は少年男子、成年男子、女子と 全部で3つのカテゴリーに分かれており、 各地域予選を勝ち抜いた都道府県代表が、 優勝を目指して最大5連戦となるハードな日程に挑戦。 私は少年男子の準決勝と決勝を取材してきました。 以前は国体の少年男子というと、 高校生のオールスターという印象もありましたが、 現在のカテゴリーはU-16に変更されており、 メインとなる世代は早生まれの高校2年と高校1年に。 チームによっては中学3年も含まれるなど、 ある意味では育成年代のショーケース的な大会へと変化。 出場選手もJリーグのクラブユースに所属する選手が 多数含まれるようになっていて、ここを取材しておけば 10年近くは楽しめるという“お得感”満載の大会なんです! もう1つ今回の大会で注目されていたのは、「東京から東京へ」。 実は先日開催が決定した東京オリンピックの開催年は2020年。 国体は前述したようにU-16のカテゴリーで争われるため、 この大会に出場している選手の大半は、 7年後の東京オリンピックを見据えるとドンピシャの世代なんです! 準決勝の第1試合はFC東京と東京ヴェルディの連合軍的な東京都が、 京都サンガを中心とした京都府に延長で勝利。 第2試合はこちらもガンバ大阪とセレッソ大阪の連合軍的な大阪府が、 尚志とJFAアカデミー福島の選手で構成された福島県を5-1で粉砕。 決勝の組み合わせは東西の最強軍団対決になりました。 味スタで11時30分にキックオフを迎えたファイナルは、 立ち上がりから大阪府がラッシュ。 ガンバ大阪ユースの小田垣旋とセレッソ大阪U-18の岸本武流で 組んだ2トップは、まさに“柔と剛”といった印象。 特に“柔”の小田垣は準決勝までの3試合すべてで2ゴールを奪うなど、 その得点感覚もさることながら、利き足の左を駆使したテクニックもハイレベル。 7年後への期待を非常に感じさせる選手でした。 ただ、東京都もFC東京U-18に所属するCBの渡辺拓也を中心に 粘り強く守り続けると、後半にワンチャンスで先制。 ゴールを決めたのは横浜F・マリノスユース所属の小松駿太。 元々東京出身の小松は、東京都と神奈川県の 両チームから出場を打診されたそうですが、 「迷ったけど開催地どうこうじゃなくて、小中学生と僕を育ててくれた東京に 恩返しするために、東京都での出場を決めた」とのこと。 そしてその恩返しの一撃が決勝ゴールとなり、 東京都が見事に地元開催のプレッシャーを跳ね除け、頂点に立ちました。 この大会に向けて5年に及ぶ準備期間を経て、 最高の結果を勝ち取った東京都のイレブン。 試合後に嬉し泣きが止まらない選手や、監督が胴上げされる姿を見て、 「やっぱりサッカーっていいなあ」と改めて再確認させてもらいました。 写真は決勝戦直前に整列している両チームです。 Tweet