1999年11月3日、国立霞ヶ丘競技場。
この日は柏レイソルがJリーグに参入してから、
初めてのタイトルを獲得した日として
多くの黄色いサポーターに記憶されていると思います。
年間順位も5位、7位、8位と3年続けて一桁順位をキープし、
その年もファーストステージで4位に入るなど、
徐々に強豪としての道を歩み始めていたレイソル。
そんなチームが1995年のJリーグ昇格以来、
初めて優勝というものに王手を懸けたのが、
1999年のナビスコカップファイナルでした。
準々決勝で当時隆盛を誇っていたジュビロ磐田、
準決勝でストイコビッチ率いる名古屋グランパスを破り、
辿り着いた決勝の相手は、
前年度のJリーグ王者・鹿島アントラーズ。
名良橋晃、相馬直樹というフランスW杯にも出場した両SBに、
柳沢敦と長谷川祥之という代表クラスの2トップが前線に揃い、
中盤は本田泰人とビスマルクが引き締めるという、まさに最強軍団。
試合前の下馬評もやや鹿島有利というものだったはずです。
柏のスターティングメンバーを見ると、
GKが吉田宗弘で、DFは渡辺毅、萩村滋則、薩川了洋の3バック。
中盤はドイスボランチに下平隆宏とバデア、
右WBに酒井直樹、左WBに平山智規で、
2トップ下にはファンタジスタ大野敏隆。
前線には北嶋秀朗と加藤望という11人を西野朗監督は選択しました。
ゲームは開始わずか5分で大野が先制弾を叩き込み、
柏がリードするものの、62分と64分に連続失点で逆転を許す展開に。
終盤までそのスコアが続きましたが、
万策尽きたかと思われた後半アディショナルタイムに
CBの渡辺が執念の同点弾をねじ込み、土壇場でタイスコアに。
最後はPK戦の末に、弱冠20歳だった小笠原満男のキックを
ミラクルと称された吉田が弾き出し、
柏が劇的な初タイトルを獲得したのです。
それから10年以上タイトルからは遠ざかり、
2度のJ2降格も経験した柏。
ところが、2010年にJ2優勝で再昇格を果たしてからは、
翌年にまさかのJ1制覇、そして昨年は天皇杯制覇と
毎年何かの主要タイトルを手にしています。
ただ、そのすべてを経験している名将ネルシーニョにとっても、
国内タイトルで獲得していないのはナビスコカップのみ。
“3年連続”のタイトルへ。
柏の、そしてネルシーニョの挑戦は11月2日、
舞台はやはり国立霞ヶ丘競技場です。