4月10日はゼネラルストライキだった。
 
今回のストは要求貫徹という戦いでなく、政府への怒りを形にしたものといえる。
 
とにかく何でもかんでも値上がりし、庶民の生活は大変なことになっているのだ。
 
 
 
アルゼンチンでは通勤費を会社が払ってくれず社員が負担する。
 
このため、公共交通には政府の補助金が投入され安く抑えられていた。
 
しかし、財政悪化のため補助金を次々とカット。
 
今年に入りバスや地下鉄の料金は2倍程度値上がりし、
 
4月から家庭のガス代は最大で5倍に跳ね上がるという。
 
3%の消費税引き上げで大騒ぎとなった日本からすれば考えられない話だ。
 
 
 
ストは全国規模で、鉄道、バス、飛行機といったすべての公共交通をはじめ
 
ガソリンスタンドやごみの収集にも及んだ。
 
さらに、郊外から都心に向かう橋や幹線道路も労働組合によって封鎖。
 
このためブエノスアイレス市の中心地は、休日以上に閑散としていた。
 
通勤の足はないし、暴動が起こるとの予想もあったので、ほとんどの会社や店が休業したのだ。
 
 
 
しかし、そんな中でも休まずに働いているところがあった。
 
ホルヘのアミーゴの娘が通う私立高校もそのひとつだったが、
 
出席したのはクラスでその娘だけだったそうだ。
 
これには先生が大喜び。
 
その理由は、出席者がゼロだと先生に授業手当が入らないからだという。
 
 
 
病院も開いていたが、ニュース番組で街頭インタビューされたお婆さんは、
 
「今日はやっと取れた診察の予約日なので、歩いてでも行かなきゃならない」と答えていた。
 
タクシーは営業していたものの、空車を見つけるのは至難の業だった。
 
 
 
また、サンロレンソのサポーターもストにひるむことはなかった。
 
前日の夜10時からコパ・リベルタドーレスのグループリーグ最終戦があった。
 
これは、決勝トーナメント進出をかけた重要な一戦。
 
通常ならバスは24時間営業だが、この日は深夜0時からストに突入する。
 
午後10時キックオフの試合の応援に行けば、帰りの足はなくなるのだ。
 
しかし、それでもサポーターは大挙してスタジアムに押しかけ、その声援に応えたサンロレンソは、
 
終了間際に起死回生のゴールを挙げ得失点差で勝ち上がりを決めた。
 
 
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About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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