今回も引き続き、日本クラブユース選手権、通称“クラ選”のお話を。
 
この夏の大会は今までの24チームから32チームに出場チーム数が拡大されており、
 
各地域の出場枠も軒並み拡大されている中で、
 
東海地域から初出場のチームが参戦していました。
 
彼らの名前は「JFAアカデミー福島」。
 
意外なことに予選自体にも初参戦となった今大会で、
 
プレミアWESTでも優勝争いを繰り広げている
 
名古屋グランパスU18を東海予選で蹴落とし、
 
堂々と群馬で行われる全国大会へと駒を進めてきました。
 
 
 
「JFAアカデミー福島」と言えば、日本サッカー協会が設立したいわゆるサッカーアカデミー。
 
その名前が示す通り、ずっと福島県にあるJヴィレッジで活動を続けてきましたが、
 
先の震災によってJヴィレッジ自体の使用継続が困難になったため、
 
活動の舞台を御殿場にある“時の栖”へ移し、静岡県を拠点にして日々サッカーに打ち込んでいるのです。
 
 
 
設立初期段階はそれほどリーグ戦をはじめとした
 
各種コンペティションにも力を入れていなかったそうですが、
 
昨年からはこの年代のトップリーグであるプレミアEASTに昇格を果たすと、
 
並み居る強豪を相手にいきなり3位と大躍進。
 
今シーズンもトップレベルの難敵と定期的に公式戦で相対し、日々研鑽を積んでいるとのこと。
 
その延長線上にこのクラ選出場もあり、大会前から注目のチームとして期待されていました。
 
 
 
私が彼らを最初に見たのは群馬ラウンドのファイナルゲームとなる準々決勝。
 
各ポジションに年代別代表選手をズラリと揃え、
 
優勝候補の呼び声も高かったガンバ大阪ユースを向こうに回し、
 
灼熱のピッチにもかかわらず、とにかく全員がよく走るんです!
 
結局、3-3という激しい点の取り合いの末、
 
最後はPK戦で全員が成功させたJFAアカデミー福島が勝利。
 
過酷な群馬ラウンドを勝ち抜け、横浜は三ツ沢の陸上競技場で行われる
 
セミファイナルへと勝ち進むことになりました。
 
 
 
試合後、中田康人監督にお話を伺うと、
 
「何回も同じことを言いますけどこういうゲームだとかそういった経験が
 
 彼らを育てて逞しくしてくれているのは間違いないこと」ときっぱり。
 
続けて
 
「これでちょうど大会は8日目に入っているんですけど、
 
 ケガ人がないのと体調不良が1人も出ていないのと、
 
 何よりここ8日間で説教ゼロなんですよ(笑)」
 
と。いつもは説教が出ちゃうんでしょうね(笑)
 
ただ、今大会の期間中はそれがゼロだと。
 
「本当にオフとオンが両方充実してきているのかなというのは凄く感じます」
 
と嬉しそうに話す中田監督を見ていると、勝手に自分の中で思い描いていた
 
アカデミーへのイメージが大きく変わっていくのを感じました。
 
 
 
中田監督は
 
「今回で言えば『全力のプレーは褒めてやれ』と。
 
 そのかわり、『要求ははっきりしろ』と。
 
 『ポジションが甘かったり、ファーストディフェンスが
 
 行かないんだったら、必ずそこは言え』と。
 
 『もし辛そうな顔をしていても、戻らなくてはいけない場合には絶対に要求しろ』と。
 
 そういう所は今回のクラブユースの中で徹底しようという所でしたね。
 
 これはアカデミーの子だけじゃなくて割と人に嫌われたくないから文句言わないとか、
 
 そういうのがこの世代ってあるのかなと思ったんですけど、
 
 でも『そうじゃないよね、サッカーは』って。そういう要求をできることが仲が良いというか、
 
 チームのことを思ってやることなんじゃないのって思いますよね」
 
とも。
 
 
 
正直に言って、事前のイメージとはまったく異なるチームだった「JFAアカデミー福島」。
 
2日後の金曜ナイトゲームは全国のセミファイナル。
 
この時点で私は会社でやるべき仕事の量を計算しつつ、
 
三ツ沢へ彼らの戦いを見に行くことを既に決意していました。
 
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写真は楽しく応援しているアカデミーの選手たち@前橋総合です。


About The Author

土屋 雅史

サッカー界のオモシロご長寿番組「Foot!」でディレクターを務めた後、制作部プロデューサーへ(昇進か?)。 国内外問わずのサッカー全般に関する知識はハンパなく、gol.界隈では「博士」の称号を得ている知識人。 スタジアムから土のグラウンドのピッチ横までジャンルを問わないサッカー観戦と、テレビ前でのサッカーウォッチングツアーはお勤めの会社への忠誠心だけではないはず! そこにはサッカーへのLOVEがある!溢れる知識と独自のサッカー観であなたの「観るサッカー」に彩りをそえちゃいます!

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