2000年代のトヨタカップおよびクラブW杯の常連で、2000年と2003年には世界一に輝いたボカも
最近は精彩がなく、今期も非常に苦しい戦いを強いられている。
昨季はブービーの19位で終わり、フロントはついにリケルメを切った。
そのリケルメは、ユース時代に在籍したアルヘンティノスへ移籍。
しかし、このクラブは現在2部に落ちている。
ちなみにアルヘンティノスはマラドーナを輩出したことで知られ、
小さいクラブながら伝統的にユースの育成に力を注いでいる。
ファンも少ないので、選手を育てて売ることを収入の柱にしているのだ。
10年ほど前に聞いた話では、そのシーズンに、ここのOB30数名が
世界中の1部リーグでプレーしているとのことだった。
リケルメは開幕戦でゴールを決めて勝利に導くも、古傷が悪化して戦線離脱。
最近の彼はこれが多い。
出場すれば活躍するが、欠場ばかりという選手は使いづらい。
監督は不在時用のチームを作るが、戻って来たときはまた彼を中心に据える。
サブを務められる同じタイプの選手がいないので、
異なった2チームで1シーズンを戦うこととなり、他の選手もとまどう。
以前は蜜月関係にあったビアンチ監督とも亀裂が生じ、クラブも休んでばかりの選手に
高給を払い続ける価値が見いだせなくなった。
たしかにリケルメは最大級のスター選手だが、超人気クラブであるボカの試合は
彼がいようがいまいがほぼ満員になるのだ。
こうしてリケルメなしで迎えた今季。
第2節に勝っただけで、4戦して1勝3敗。
しかも0-3,1-3といった惨敗が続いた。
そして第4節終了時、ついに名将ビアンチが解雇された。
後任は39歳のアルアバレーナ。
2000年に世界王者となったときのメンバーでエル・バスコ(バスク人)のネックネームで呼ばれる。
スペインのビジャレアルでも活躍し、監督としてはすでに2チームを率いたが、
ボカの監督としては小物の感が否めない。
木曜日に突如ビアンチが解任され、金曜日に呼び出されて契約し、日曜日のべレス戦が初采配となった。
対戦相手のべレスはここまで全勝と絶好調。
敵地ボンボネーラに乗り込んだボカ戦でも、前半終了間際に先制点をゲット。
しかし後半にボカが3点を奪い逆転し、新監督は初陣を勝利で飾った。
選手と年齢が近く兄貴分的存在のアルアバレーナが、今後どこまでチームを立て直せるか興味深い。