アルゼンチンサッカー協会(AFA)の会長選挙で、考えられないことが起きた。
 
現会長のセグーラと超大物タレント、ティネリによって争われたこの選挙。
 
接戦が予想されていたが、結果は38票対38票と同数。
 
しかし投票者は75名で、1票多くなったのだ。
 
 
 
一般の選挙でもアルゼンチンでは、日本のように投票用紙に記入しない。
 
まず受付でチェックを受け、封筒をもらう。
 
その後、個室に入る。
 
個室内には、候補者名が印刷された紙がある。
 
支持する候補者の紙を封筒に入れて封をし、個室から出て投票箱に投函する。
 
 
 
AFAの選挙も同じ方法で、開票は指名された6名の開票員によって行われた。
 
封筒を一つずつ開け、全員で確認しあうという作業を続ける。
 
封筒の中に同じ候補者の紙が2枚入っているのを発見し、
 
規定に従い、1枚を有効票としてもう1枚はその場で破るということもあった。
 
6名の開票員が12個の目で、このように厳重にチェックしていたのだ。
 
 
 
ところが票を集計してみると、1枚多くなっている。
 
「紙がくっついていてわからなかったのだろう」と開票員は説明するが、
 
この投票用紙は貼りつくような性質でないうえ、厚手なので2枚重なっていれば触感でもわかる。
 
ホルヘは、開票者の中にどちらかの候補の熱烈支持者がいて、
 
不利を確認した際に、隠し持っていた1枚を忍び込ませたのではないかと推測している。
 
 
 
日本でも1月にサッカー協会の会長選挙が行われるようだが、まさかこんなことは起こるまい。
 
さらにいえば、原氏になるか田島氏になるかは、それほど注目されないだろう。
 
しかしアルゼンチンでは違う。
 
一般人もどちらが勝つかに興味津々で、投票の一部始終はテレビで生中継されたほど。
 
そして、その場での大失態。
 
再投票は、リーベルの会長が日本から戻って来た後の23日に行われる予定だ。
 
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この数日後、ボカの会長選挙も行われた。
 
Jリーグのクラブのほとんどは株式会社なので、トップが誰になるかは取締役で決まる。
 
しかし純粋な“クラブ”では、ソシオの投票によって選ばれる。
 
 
 
今回立候補していたのは、現会長のアンヘリッチとアメラル、ベラルディの3名。
 
アンヘリッチが就任してから成績がパットせず、彼への信頼は下落していた。
 
しかし、11月にリーグとカップ戦の2冠を制したことで支持率が上昇。
 
強力な新人2名との三つ巴の争いは白熱し、ボカの会長選史上最多となる26,136名ものソシオが投票に訪れた。
 
 
 
投票会場はボンボネーラのスタジアム内。
 
そこにはリケルメの姿もあった。
 
彼はアンヘリッチを嫌っており、ソシオたちに反アンヘリッチをアピール。
 
そしてそのアンヘリッチは、テベスとともに登場。
 
ボカの現役選手であるテベスに投票権はないが、
 
「俺をボカに呼び戻してくれたのは彼だ」と現会長支持をソシオに訴えた。
 
リケルメとテベスによる、新旧スター対決といったところだ。
 
そしてやはり現役は強く、テベスに応援されたアンヘリッチが再選を果たした。
 
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About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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