サッカーをしていても誕生日に試合をすることって、普通はなかなかないですよね。そんなある意味でラッキーな誕生日を、複雑に絡み合う因縁を抱きながら実現しそうな選手がいます。湘南ベルマーレで今シーズンは副キャプテンも任されている三竿雄斗。1991年4月16日生まれの彼は、J1ファーストステージ第7節の鹿島戦でバースデーゲームを戦うことになります。
2014年に湘南へ加入すると、いきなり3バックの左CBで開幕スタメンを勝ち取り、以降もレギュラーとして驚異の開幕14連勝に大きく貢献した三竿。結果的に記録的な数々の数字を残したシーズンを、ルーキーながら完全な主力選手として過ごし、チームも1年でのJ1復帰を果たします。また、自身初挑戦となった昨シーズンのJ1でも、やはり左CBとしてリーグ戦33試合に出場し、堂々の4アシストを記録。今や押しも押されぬチームの大黒柱として、チームメイトからもサポーターからも多くの信頼を集めているのが三竿という選手です。そんな三竿が迎える2016年4月16日は、自身にとって25回目の誕生日であり、鹿島アントラーズと今シーズンのリーグ戦初勝利を懸けて戦う大事なホームゲームの日。そして今回の対戦相手でもある鹿島には、三竿にとって2人の特別な選手が在籍しています。
1人はユースから昇格した東京ヴェルディで1年目から39試合に出場し、堂々たるボランチのレギュラーとして昇格争いを経験。そのパフォーマンスが評価され、リオ・デ・ジャネイロオリンピック出場の懸かるアジア最終予選に挑んだU-23日本代表にも招集を受けるなど、今後のさらなる成長が期待される三竿健斗。同じ名字が示すように、彼の兄は三竿雄斗。今回のゲームは兄弟対決ということになります。これだけならJリーグでも決して珍しいことではないかもしれませんが、特筆すべきは弟・健斗の誕生日。その日とは1996年4月16日。何と兄弟で同じ誕生日であり、その2人がその誕生日に違うチームの選手としてピッチ上で対戦する可能性があるという、とんでもないことになっているんです(笑) こんなこと、今までのJリーグの歴史でもないことですし、おそらくは今後もこの2人を含めて実現することのない、恐ろしい偶然の交差と言って良いでしょう。2人は雄斗が早稲田大、健斗が東京Vユース時代に一度対戦したことがあるらしく、その時は兄が勝利を収めたとのこと。そのことを問われた兄は「次も同じように底力を見せたいです」と静かに笑いました。
もう1人の選手は永木亮太。中央大学在学時に特別指定選手として湘南でJリーグデビューを果たし、やはりルーキーイヤーから完全な主力としてチームの中盤に君臨。ここ数年はキャプテンを務めるなど、絶対不可欠な選手として湘南を牽引し続けた永木は、今シーズンから鹿島へ新天地を求めることになりました。「今の湘南があるのは亮太くんがいたからというのは間違いないですし、2年間一緒にやってきて色々なことを学ばせてもらった」と話す三竿が今シーズンから託されている背番号6は、昨年まで永木が背負っていた番号。「自分としてはそんなに意識はしないですね」と前置きしながらも、「今は亮太くんが付けていた6番を自分が背負わせてもらっているので、自分がチームを勝利に導けるようにやるだけだと思います」と三竿も意気込みを口にしています。
小笠原満男に柴崎岳という国内有数のドイスボランチが定位置を確保しているため、永木はここまでなかなか出場機会を掴むことができませんでしたが、この湘南戦は小笠原が警告累積で出場停止。永木にとっても鹿島に移籍してから初めてのスタメンで出場する可能性が高まっており、さらに同じポジションの健斗もベンチ入りが予想されています。
2016年4月16日。三竿雄斗の特別な1日。
この一戦を中継するのはJ SPORTSのみ!(笑) 是非この因縁満載の90分間をJ SPORTSでご覧ください!