久しぶりにオベリスコの近くを歩いていたら、写真を撮っている人が多いのに気がついた。ここはブエノスアイレスのシンボルなので、いつでも観光客が記念撮影をしている。しかし今回は、地元らしき人までもがカメラを向けている。何を撮っているのかと見ると、巨大なBAの文字だった。ブエノスアイレスの頭文字であるBAを、樹木で造ったものが展示してあった。
アルゼンチンは芸術への関心が深い。以前ここでも紹介したが、オベリスコのてっぺんが切り取られたようになくなってしまったことがあった。これもひとつのアートで、頂上の周囲を囲んで、あたかもなくなったように見せていた。街のシンボルであるオベリスコでは、たまにこのようなアートが展示されて人々を楽しませている。
さて、前回テレビを買い替えたと書いた。しかし、未だに衛星放送のDIRECTVが観られない。チューナーとテレビをつないだが、画面には「信号がありません」と表示されてしまう。そこでDIRECTVのサポートを頼んだが、約束の日に来ない。それも2回も。きつく抗議して明後日に再々予約したが、はたして、三度目の正直となるか、二度あることは三度あるになるか。
そんなこんなで一部の地上波しか観られないので、日本で録画したテレビ番組のDVDが最近役に立っている。「メイドインJAPAN」という番組は、日本在住の外国人が、日本の便利なものを祖国へ持ち帰るという内容だった。その中で、ブラジルとルーマニアの人が、シャワートイレを持ち帰っていた。
シャワートイレは、中国人の爆買いの目玉となっているという。ホルヘはこれまで、こうしたものは設備屋さんに頼むものだと思っていた。トイレや風呂といった水回りを扱う業者に、「シャワートイレにしたいんだけど」と相談し、「こんなのはどうですか」と紹介され、「じゃあ、それをお願いします」という流れで設置されるものだと考えていた。しかし、中国人は家電量販店で買って持ち帰るという。ということは、取り付けは簡単なのか。
ホルヘの日本の家にシャワーはついていない。そこで、「簡単に取り付けられるなら買おうかな」と思ったりしていた。ところが、これがやはり大変なようだった。ブラジルでは、業者が予定日に来ず、やっときたと思ったら、手に負えないからと途中で帰ってしまった。収録のスタジオでは、「ひどーい」「考えられない」との声が上がっていたが、南米はどこもこんなものだ。
ともかく、取り付けは簡単ではないことがわかった。慌てて買わないでよかった。
ブラジルではシャワートイレにみんなが驚いて感激していたが、アルゼンチンではそうでもないだとう。というのは、アルゼンチンのトイレには、アパートでもホテルでも、便器の横にビデが設置してあるのが普通だからだ。
ビデは本来女性のためのものだが、痔主のホルヘは排便後に利用している。もちろん温水も出るし水圧も変えられる。おかげで、日本にいるときよりもお尻の調子がいい。
このような独立したビデ器というのは、日本ではあまり目にしない。以前、日本から来た観光客が、これを小便器だと勘違いして、ずっとそれで用を足していた。アルゼンチンに来る際は、お間違いのないように。