ブエノスアイレスにカーサ・ハポネッサという日本食材店がある。
日本やアメリカなどから輸入した調味料、食材をはじめ、さまざまな日用品を売っている。
この店が先頃、ヌエバ(新)・カーサ・ハポネッサとしてリニューアルオープンした。
 
 
場所も移転して大きくなり、店舗部分だけでも5~6倍になった。
最近は日本料理店も増えているので、それらを対象とした卸売り部門を併設し、2階部分はレストランとなっている。
このレストランでは、冷凍麺のラーメンが出されているそうだ。
ブエノスにもラーメンを出す店はあるが、旨くないところが多い。
しかし冷凍麺はコシがしっかりしているしスープもついているので、下手に自家製にするより、市販のものの方がいいのだ。
同じく冷凍ものを使ったウナ丼やサンマ定食もあるらしい。
 
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小売り部分も店舗が広くなっただけでなく、これまではなかった商品がたくさん並んでいる。
大型冷凍庫の中には、ギョーザや蒲鉾、さつま揚げ、シメサバなどの加工品がぎっしり詰まっている。
しかし、どれも値段が高い。
焼酎の神の河は1本約3700円。
輸入品だからやむを得ないのだが、アルゼンチンで作っているものも日本より高い。
納豆は1パック約200円。納豆は日本では安い食材の代表なので、1パック200円には抵抗がある。
 
 
そこで、納豆を自分で作ることにした。
数年前にも試みたことがあり、そのとき日本から持ってきた納豆菌がまだ残っている。
期限切れだが、ダメ元でやってみることにした。
茹でた大豆に菌を混ぜ、あとは1日置いておけば発酵する。
問題は温度設定。
納豆菌の説明書には、37度で24時間と書いてある。
 
 
ヨーグルトメーカーがあればいいのだが、そんなものはない。
そこで、ストーブを利用することにした。
リビングと寝室の間に1畳ほどの通路があり、ガスストーブがそこに設置されている。
ストーブをつけ、リビングと寝室のドアを閉めると、その小さなスペースの温度は40度以上となる。
雨続きで洗濯物が干せないときは、ここを乾燥室として使うこともある。
 
 
前回作った納豆は、非常にアンモニア臭が強かった。
ようするに失敗作で、それに懲りて納豆作りから撤退していた。
アンモニア臭の原因は、納豆菌以外の雑菌が繁殖するかららしい。
雑菌は高温に弱いが納豆菌は強い。
したがって37度をキープすれば、アンモニア臭は抑えられるとのこと。
しかし通路なので温度調整が難しい。
同じ失敗を繰り返さないよう、今回は約40度という高めの温度にしてみた。
問題は、納豆菌がこの温度でも発酵するかだ。
 
 
丸1日経ってから容器を開けると、豆の表面は白くなり、混ぜると糸も引いている。
ツーンと来る嫌な臭いはない。
これを、冷蔵庫でさらに1日寝かせる。
さて出来上がりはというと、アンモニア臭はないものの、納豆の匂いも少ないうえ糸引きが弱く、いくら混ぜてもポロポロしている。
世界進出を目指す大手納豆メーカーは、外国人の好みに合わせるため匂いと粘りを押さえることに苦心していると聞くが、期せずしてまさにそのようなものになってしまった。
しかし純粋な納豆好きのホルヘにとって、これはまたしても失敗作。
10点満点の5点といったところで、ナットーならぬナッゴーだった。
 
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About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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