ビデオ判定、恐るべし。
アトレティコ・ナシオナルがアントラーズにまさかの0-3。
追加点が生まれるまでGK曽ヶ端は大忙しだったし、全試合を通じてのポゼッションは61%対39%、シュート数は24本対10本とA・ナシオナルが大幅に上回っていたのだから、主審があのまま見逃していれば、勝敗は逆になっていた可能性が高い。
しかし、文句なしの惨敗だ。
南米王者として乗り込み、「シャコペエンセのために戦う」といっておきながら、全世界に赤っ恥をさらしてしまった。
 
 
シャコペエンセの事故関係の続報はいろいろと伝えられているが、中でも驚いたのは、アルゼンチン代表が乗ったときにも燃料切れ寸前だったという報道。
代表は11月のW杯予選のブラジル戦の際に墜落した飛行機をチャーターしていた。
そして帰りの便で、燃料の残りが僅か18分しかなかったとされている。
もう少しで、メッシらが悲劇に見舞われるところだった。
 
 
さて、11日にはスーペルクラシコが行われ、ここではホームのリーベルが2-4で敗れて赤っ恥をさらした。
先制された後2-1と逆転に成功するも、後半に3失点を喫した。
この試合は、リーベルのダレサンドロとボカのテベスにとって最後のスーペルクラシコといわれていた。
ダレサンドロはブラジルのインテルナシオナルに再び移籍するし、テベスには中国の上海から高額オファーが届いている。
 
 
リーベルは4日後にコパ・アルヘンティーナの決勝が控えている。
来年のコパ・リベルタドーレスに出場するためには、これに優勝しなければならない。
そこでガジャルド監督は、4日後を見据えて2-1の60分にダレサンドロを下げた。
ところが2分後にテベスが同点とし、81分にもテベスがゴール。
彼は先制点のアシストもする大活躍で、ダレサンドロと明暗を分けた。
  
 
この試合は国内リーグとしては珍しく、追加副審制で行われた。
4人目と5人目の審判がゴールライン際に位置してジャッジを補佐するものだ。
ホルヘは、このシステムの試合を取材したことがない。
初めは追加副審制とは知らず、太陽の位置を見てベストポジションを選んだ。
すると、目の前に審判の背中がある。
これが邪魔でまったく撮影にならない。
ずっと止まっているならまだしも、プレーに合わせてチョコチョコ動く。
「いいシーンだ」と思って撮ろうとすると、ファインダーの中に入ってきてプレーを隠してしまう。
場所を移動するしかなかった。
ビッグゲームで、両ゴールライン裏に50名ずつ計100名のカメラマンが入ったとしたら、各サイド約20名は被害を受ける。
チャンピオンリーグではいつもこのシステムらしいが、カメラマンは文句をいわないのだろうか。
 
 
ビデオ判定はまだ試験導入中だが、これが正式に採用されれば追加副審はなくなるはずなので、我々はビデオ判定の到来を待っている。 
 
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ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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