”女子美術大学”を往復した午後 土屋 雅史 2018年3月31日 土屋雅史, 日本サッカー 先週水曜日。相模原のホームゲームに行ってきました! 各種スケジュールとにらめっこしながら、「この日のギオンなら、J2の町田×松本とハシゴできる!」という結論に辿り着き、結構前からこの祝日を楽しみにしていたんです。 ほぼ1年ぶりのギオン。 前日から「雪が降るかも」なんて情報も入っていましたが、朝の都内は雨こそ降っているものの、そこまでの冷え込みでもなく、2試合分のメンタルを携えて家を出発。 小田急線を乗り継いで、相模大野駅を目指します。 少なくとも新百合ヶ丘ぐらいまでは雨だったんです。 少なくとも新百合ヶ丘ぐらいまでは。 町田あたりから、文字通りやや雲行きが怪しくなり、相模大野に着く頃には固体に近い液体がチラホラ。 でも、電車を降りた時はまだチラホラだったんです。 ただ、改札を出て、コンコースに出てみると…、完全な雪!しかも吹雪!「ああ、ヤバいな」と。 でも、Twitterを見ても試合中止を伝える情報はどこにもなく、時間的にもちょうどジャストのタイミングで停車していた“女子美術大学”行のバスに乗り込んではみたものの、発車と同時にフロントガラスへ吹き付ける雪。 その勢い、想像以上。 否応なく車内にも不安が充満します。 でも、僕は「久々に雪の中の試合を見れる!」ぐらいのメンタルだったんです。 まだこの頃は。 僕の隣には間違いなくギオンに行くであろう、相模原のウェアを着た人が座っていました。 だいたいバスに乗って、スタジアムまでの道のりも半分を過ぎた頃でしょうか。 隣から「おい、マジかよ!」という聞こえるか聞こえないか、ギリギリのラインの呟きが聞こえたんです。 その瞬間。 すぐ悟りました。 ギリギリの呟きの意味を。 すぐさま車内を駆け巡る情報。 僕もすぐさまスマホで確認し、我々を取り巻く事態を把握します。 その時点でまだスタジアムまでは10分弱。 降りるべきか、乗り続けるべきか。 ただ、乗り続けた先に我々が楽しみにしていた90分間は、もう待っていません。 次々と前者を選択する乗客の皆さん。隣の人も一緒に来ていたもう1人と逡巡を繰り返しながら、コンビニに近いバス停で離脱していきました。 迷いました。「今ならまだ引き返せる!」「でも、スタジアムまで行ったら何かあるんじゃないか!」。 一応取材という形でスタジアムを訪れる予定だったので、後者に一縷の望みを懸けて結局終点まで乗車。 スタジアムへと足を運んだのです。 結論から言って、何もありませんでした。 既にメディア受付も撤収済み。 既に相模原の選手も沼津の選手も撤収済み。 一応記者席まで上がって写真を撮ったものの、大したインパクトもない1枚が撮れたのみ。 実質1試合分のメンタルをすり減らし、コートを濡らしながら、再び“女子美術大学”のバス停へと舞い戻り、先ほど通った道のりを相模大野へと帰って行ったのです。 唯一良かったのは、まさに僕が帰りのバスでグッタリしている頃、何も知らずにタクシーでギオンに向かっていたgol.の社長さんに、中止の情報を教えてあげられたことです(笑) もう少し自分の中で整理が付いたら、ギオンにリベンジを果たしに行きたいと思っています。 Tweet