今週のアルゼンチンでは、クラブの会長選挙に絡む大きなニュースが二つあった。
まずはラプラタのヒムナシア・イ・エスグリマ。
降格の危機に瀕しているこのクラブが、マラドーナを監督として召集したことは以前書いた。
マラドーナはここまで8戦して3勝5敗の成績ながら、相変わらず人気は高い。
 
 
そんな中、彼が辞任を口にした。
マラドーナに白羽の矢を立てて引っ張ってきたのはクラブのペレグリーノ会長。
2人はチームの強化や補強について話し合い、これからのプランについて合意していた。
会長選挙は11月23日で、ペレグリーノが再選されればそのプランも実現されるはず。
マラドーナはかねてより、「会長が続ければ俺も続ける。会長が辞めれば俺も辞める」と公言し、再選を後押ししていた。
 
 
ところが立候補届締め切りなってもペレグリーノはリストを提出しなかった。
つまり、立候補断念。
彼には彼の理由があり、クラブの立て直しを図るため立候補予定者たちを調整して一本化しようとしていた。
しかし、それは叶わずに身を引いた。
 
 
これでペレグリーノとの約束が実行されなくなくなると悟ったマラドーナは辞任を決断。
会長の説得にも耳を貸さず、立候補者との面談にも応じず、火曜日の練習後に自らのインスタグラムで辞任を発表した。
 
 
サポーターたちは、辞任を撤回させようと大規模なデモを実施。
「会長はいらない、選挙もいらない、必要なのはマラドーナ」と歌う彼らがマラドーナの心を揺さぶり、さらに立候補者が立候補を取り消して会長選挙は延期となった。
これにより、木曜日にインスタグラムで続投を表明。
しかし今後の会長選挙の行方次第では、辞任騒動の再燃もありうる。
 
 
ボカも今年が会長選挙で、12月8日が投票日。
現会長アンヘリッチの後継で主流派のグリバウド、反主流派のアメアル、同じくベラルディによる争いだが、ここにボカの元スーパースターであるリケルメが加わった。
といっても彼が会長候補になるわけでなく、アメアル陣営の第二副会長に名を連ねた。
 
 
会長選挙は個人の立候補でなく、グループによって行う。
立候補に際して提出するのは、会長1名、副会長1名、理事16名、副理事12名の計30名の氏名が書かれたリスト。
リケルメはアメアル陣営の理事に記載され、当選すれば第二副会長に指名される。
 
 
リケルメを仲間にすれば選挙戦が有利になるのは間違いなく、他の陣営も接触を試みていたが、彼が選んだのはアメアルだった。
投票は8万人以上のソシオにより、ボンボネーラスタジアム内で行われる。
アンケートではアメアル陣営が圧倒的有利で、他陣営は「当選したらバティストゥータをマネージャーにする」などビッグネームをちらつかせて反撃を試みている。
 
 
さて、デモによりチリのサンティアゴからペルーのリマに会場が変更になったコパ・リベルタドーレス決勝リーベル対フラメンゴが23日に行われた。
15分にコロンビア代表のボレが見事な反転シュートを決めてリーベルガ先制。
その後はお互いに決め手を欠きそのまま終わるかに見えたが、88分にガブリエル・バルボーサが同点弾をゲット。
さらに91分にも相手DFのミスを突きまたもバルボーサがネットを揺るがす。
まさかの終盤での”ガビゴール”2連発でフラメンゴが栄冠を手中にした。
 
 
優勝トロフィーの土台である木製部分には、優勝チームの名前を彫ったプレートがつけられる。
それは事前に両チーム分が用意され公開されていた。
しかしフラメンゴのものは金属の色が悪く、さらに本来は国名のブラジルと書くべきところがリオデジャネイロとなっていた。
それにフラメンゴが抗議して作り直しとなったが、そのプレートは無駄とならずトロフィーに飾られた。