闇両替 ホルヘ三村 2013年11月29日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ, ライフスタイル ブエノスアイレス市のセントロにあるフロリダ通りは、 アベニーダ・デ・マージョ(5月大通り)からサンマルティン広場までの約1キロメートルに渡る歩行者天国。 道の両側には、お洒落なブティックやカフェが並ぶ観光スポットだ。 ここを歩くと、あちらこちらから、「カンビオ、カンビオ、ドラル、エウロ、カンビオ」という声が聞こえる。 声を出しているのはアルボリート(立木)と呼ばれる両替屋の客引きで、 「両替、両替、ドル、ユーロ、両替」と言っているのだ。 その数や夥しく、約100メートルの1ブロックごとに10人以上いるようだ。 中には、写真に写っている赤シャツの兄ちゃんのように、およそ金融関係者とは思えない者もいる。 彼らが増えだしたのは、およそ1年前、外貨不足に陥った政府が、 国民がペソで外貨を買って貯めこまないよう、両替を原則禁止にしてから。 禁止されればなおのこと、国民はインフレで日々価値の下がるペソより外貨を欲しがる。 しかし銀行は両替停止なので、闇の両替屋で買うことになる。 両替屋は、売る外貨を外国人観光客から調達する。 違法な商売ゆえ、堂々と店を構えて看板を挙げられないので、客引きを使うようになったのだ。 ペソのレートは、政府が無理やりペソを高く設定している公式レートと、実勢で評価されている平行レートがあり、 闇の両替屋で使われるのは平行レート。 ちなみに11月27日現在、公式レートは1ドル=6.40ペソで、平行レートは1ドル=9.73ペソ。 1ドル=100円として、1,000ペソの買い物をした場合、クレジットカード払いや国際キャッシュカードで 引き出した金で支払うと公式レートとなり15,625円だが、 ドルの現金を平行レートで両替して支払えば10,277円と5,347円も得をする。 ホルヘはこの恩恵により、今年は毎月500ドル以内で生活することができた。 また先日パスポート(5年)の更新を現地大使館で行ったが、 それも日本だと11,000円のところが6,000円ちょっとで済んだ。 海外へ行く場合、渡航先に闇レートがあるなら、ドルの現金を持っていった方が得をする。 ただし盗難の恐れはあるので、管理には充分注意したい。 また偽札を掴まされないよう、現地の知人やホテル、 旅行会社などで信用できる両替屋を紹介してもらったほうがいい。 Tweet