前回で書いたように、リーベル対ボカのスーペルクラシコは厳重な警戒の下で行われた。
しかしその後、本来は入場禁止であるはずのボカのバラスブラバス(フーリガン)のカポ(リーダー)、
マウロ・マルティンがスタンドにいたことが映像や写真で分かった。
当初は責任逃れのため、「映像などからは、本人と確認できない」ととぼけていた管轄官庁の安全局も、
翌日にはマルティンであることを認めた。
どのようにして入場したかは不明だが、指紋検査で引っ掛かり入場を拒否されたことは判明している。
その後服を着替え、何らかの方法で入ったようだ。
警官が賄賂をもらって通したなど、警備側に不正があった可能性が高い。
この件が報じられると、警備の甘さが次々とメディアで指摘された。
1200人もの警官を配置したのに、路上でサポーター同士がケンカをしていても、
路線バスを蹴飛ばしても、警官は立っているだけで何もしない。
いったい、何の警備なのかと批判が高まっている。
アルゼンチンに、マチスモという男らしさを誇る土壌がある。
バラスブラバスなどはその最たるもので、ライバルや周囲に対して自分たちの男らしさを魅せつけようとする。
日本なら未成年者や若者が行うようなことを、40歳くらいのおっさんが得意気にやっている。
この試合では気づかなかったが、たまにボカのサポーター席でリーベルのペーニャの旗や横断幕を見かけることがある。
ボカがトヨタカップに出場したときは、たくさんあった。
もちろん、リーベルのサポーター席でボカや他のチームのものを見ることもある。
これは、戦利品を誇示しているのだ。
ライバルチームのサポーターを襲い、旗などを奪う。
そしてこれが彼らにとって、マチスモの証明なのだ。