水曜日にカシマスタジアムで行われたタイトルマッチ、
 
「スルガ銀行チャンピオンシップ 2013 IBARAKI」。
 
昨シーズンのナビスコカップチャンピオンである鹿島アントラーズと、
 
やはり昨シーズンのコパ・スダメリカーナチャンピオンとして来日した
 
ブラジルの名門サンパウロが、“コパ・スルガバンク”を懸けて
 
1試合で雌雄を決するのがこの大会です。
 
 
 
今回の注目すべきポイントは
 
鹿島アントラーズのトニーニョ・セレーゾ監督が
 
サンパウロでプレーした経験を持ち、
 
サンパウロのパウロ・アウトゥオリ監督が
 
鹿島を率いた経験を持つという、
 
何とも因縁めいた“古巣対決”の交差。
 
特にトニーニョ・セレーゾ監督はサンパウロの一員として
 
93年のトヨタカップにも出場。
 
欧州王者のミラン相手にゴールまで記録し、
 
世界タイトルの獲得に大きく貢献するなど、クラブのレジェンド的な存在。
 
そんなチームと日本で対戦できるというのは、
 
サッカー人冥利に尽きる出来事なのは想像に難くありません。
 
 
 
ゲームは鹿島が大迫勇也の2ゴールでリードを奪うも、
 
後半に入って盛り返したサンパウロが
 
サントス時代にネイマールと“黄金コンビ”を組んでいた
 
ガンソの1ゴール1アシストで同点に追い付く白熱の展開。
 
最後は後半アディショナルタイムに
 
柴崎岳のミドルシュートが大迫に当たってゴールに転がり込む、
 
ややラッキーな決勝ゴールで鹿島が勝利。
 
昨シーズンに続いて大会連覇を達成する結果となりました。
 
 
 
試合後の会見でトニーニョ・セレーゾ監督は、
 
「選手としてタイトルをもたらしましたし、
 
素晴らしい時を過ごしたクラブなので、
 
サンパウロFCという相手を見た時に複雑な心境がありました」と
 
正直な心情を吐露しながら、
 
「キックオフの笛が吹かれた瞬間に、毎日指導している若い選手たちが、
 
ピッチで一生懸命伝えた情報や戦法を
 
実践しようとする姿を見た時、スイッチが切り替わりました」とも。
 
鹿島の監督として郷愁を振り切り、
 
劇的な戴冠を果たしたヒゲの指揮官は何とも誇らしげでした。
 
 
 
サッカーの世界で“古巣対決”というのは決して珍しいことではありませんが、
 
国をまたいでの、しかも日本とブラジルという2国間でのものは
 
なかなか実現することではないでしょう。
 
25分近くも続いた会見の最後に、
 
「いつもは会見場に2,3人しかいないので、
 
今日は人数が多くて嬉しいですね」と笑顔を見せた指揮官。
 
いつもより多いという記者陣からは、
 
優勝監督へ大きな拍手が贈られました。
 
 
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写真は説明不要のレジェンドです。
 
 
 
サッカー界のオモシロご長寿番組「Foot!」でディレクターを務めた後、制作部プロデューサーへ(昇進か?!)。国内外問わずサッカー全般に関する知識はハンパない、Dieguito周辺では「博士」の称号を得ている博識人。スタジアムから土のグラウンドのピッチ横までジャンルを問わないサッカー観戦と、テレビ前でのサッカーウォッチングツアーはお勤めの会社への忠誠心だけでは無いはず!そこにはサッカーへのLOVEがある!溢れる知識と独自のサッカー観であなたの「見るサッカー」に彩りを添えちゃいます!