たしかマダガスカル島だったと思うが、二本足で歩行するサルがいる。
 
歩行といっても足を交互に出して歩くのではなく、
 
手を広げてバランスを取りながら、横向きにジャンプして進む。
 
ソチ五輪のスノーボードクロスを見ていたら、選手たちの動きがあのサルに似ていると思った。
 
 
 
それはさておき、今回はY級グルメリポート。
 
Y級の「Y」は「安い」のYだ。
 
安くてコストパフォーマンスの高い2店を紹介する。
 
 
 
テレビ朝日に用があり、10数年振りに六本木を訪れた。
 
そして、六本木通りから芋洗い坂に入ってすぐ右にある立ち食い蕎麦屋(イスはある)に入った。
 
名前は円弧(まるこ)。
 
店頭の広告に「蕎麦粉100%」と書いてあるが、もり蕎麦は280円。
 
この値段で100%は怪しいと思い、店員に直接尋ねたが、「はい、100%です」との答え。
 
食品偽装がやかましい今、面と向かって「はい」というからには、本当なのだろう。
 
 
 
注文したもり蕎麦が出て来た。
 
外皮ごと挽いた黒っぽい蕎麦は、食感からして確かに100%蕎麦粉ようだ。
 
蕎麦の香りはほとんどしないが、この価格では質の高い蕎麦粉が使える訳もなく、それは納得がいく。
 
蕎麦は本来庶民の食べ物なのに、最近は気取ったりバカ高い店が
 
多いことに閉口していたホルヘには、これだけで嬉しい。
 
しかもちゃんとした店のように、器の上で蕎麦の量が均一になるように
 
丁寧に盛り付けられている。
 
気配りも立ち食いのレベルではない。
 
 
 
さらにもり蕎麦にもかかわらず、ネギとワサビの薬味の他に、
 
三つに区切られた小さな器に、大根おろし、しば漬け、薄いながらも玉子焼き二切れが付いている。
 
さらにさらに、生玉子かウズラの玉子が無料サービス。
 
飲み物は冷水の他にダッタン蕎麦茶まである。
 
まったく、信じられない。
  
 
 
後日、今度は温かい品を食べに行き、410円の海鮮かき揚げ蕎麦を頼んだ。
 
天ぷらは別皿に盛られ、蕎麦はかけ蕎麦の状態で出てくる。
 
例の三つに区切られた器には少量ずつながら、天かす、ワカメ、きつね(油揚げ)が入っている。
 
つまり280円のもり蕎麦を頼んでも、これら3種の具と無料の玉子でゴージャスな気分が味わえるのだ。
 
なんと高いコストパフォーマンスであろうか。
 
 
 
天ぷらは厚みがあるものの大したことはなく、ツユは冷たいのも温かいのもホルヘには薄味だった。
 
しかし、トータルで考えれば素晴らしい店だ。それほど大きな規模ではないが、店員は4人いる。
 
行ったのは2度とも午後3時頃で、客は5~6人しかいなかった。
 
混雑時でないとはいえ、六本木のど真ん中なのだから、もっと入っていてしかるべきだ。
 
この価格設定とサービスで相当無理な経営をしていると思われるので、
 
興味のある人は早めに行くことをお勧めする。
 
 
 
もう1店は、代々木上原にある西洋居酒屋(?)のESOLA。
 
ここの売りは1999円でのワイン呑み放題だ。
 
普通呑み放題といえば時間制限があるが、ここは時間無制限という大判振る舞い。
 
10杯飲めば1杯199円となる。
 
自分で注ぐシステムなので、赤、白、スパークリングと30種類以上あるワインを少しずつ全部味わうことも可能。
 
なんとも嬉しいお店なのだ。系列店が田町や吉祥寺にもあるらしい。
 
 
 
去年3回通い今年も1回行ったが、そこでマラソンの瀬古さんと会った。
 
ワインを注ぐコーナーで、アルゼンチンのワインの話などをして親しくなった人が、瀬古さんグループの一員だった。
 
グループは10名以上いて、なんでも瀬古バンドのメンバーだという。
 
バンドの総員は60名くらいで、東京マラソンのときに演奏と合唱をするそうだ。
 
 
 
その人の引きでグループに合流し、初対面の瀬古さんと呑むことができた。
 
実はホルヘ、小中学生時代はマラソン大好き少年だったので、

「クレイトン(元世界記録保持者)がどうのこうの」というと、
 
「エッ、クレイトンなんて知ってるの」という流れから南米談義、サッカー話と大いに盛り上がったのだった。
 
 
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About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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