チリにはこれまで何度か行ったことはあるが、
 
W杯予選とかコパ・リベルタドーレスの試合を取材するだけだったので、1泊か2泊の滞在だった。
 
したがって街のことはよくわからず、移動はいつもタクシーだった。
 
今回はコパ・アメリカで約2週間サンティアゴにいたので、いろいろと新しい発見があった。
 
 
 
まず、街の綺麗さに感心した。タバコのポイ捨て文化は残っているが、路上にそれ以外のゴミはほとんどない。
 
また、朝夕のラッシュ時でもひどい交通渋滞にはならない。これは道幅が広いことも影響しているだろうが、
 
違法駐車がなく、ナンバー規制が守られているかららしい。
 
ナンバー規制というのは、その日に定められた末尾番号以外の自動車は、都心にはいれないというもの。
 
交通ルールが守られるのは、チリ人の順法精神が高いからだ。
 
聞くところによると、歴史的にチリでは警官が賄賂を受け取らないとか。
 
他の南米諸国は、警官に賄賂を渡して違反をもみ消してもらうことがかなりある。
 
 
 
初日、ナシオナルスタジアムへ取材の手続きに行ったとき、バスで帰ろうと思った。
 
そこでセントロ方面に行くバスは何番かということと、乗り方を近くにいた警官に尋ねた。
 
すると、現金での支払いはできないという。
 
SUICAのようなカードがなければ乗れないのだ。
 
短期滞在の観光客には不便なことだ。
 
 
 
このカードは地下鉄の切符売り場で販売していて、1枚の価格は約300円。
 
それに必要な金額をチャージする。
 
バスも地下鉄もこのカードで乗車でき、料金は距離に関係なく一律で、
 
バスは約130円、地下鉄は約140円だが、ラッシュ時は少し高くなる。
 
 
 
バスの路線は複雑だが、交通局のサイトの路線図を見れば、目的地へ行くバスを見つけられる。
 
結局、今回の滞在でタクシーに乗ったのは、帰国の時にホテルから空港まで利用しただけで、
 
試合後に2度プレスバスを使った以外、あとはすべて公共交通だった。
 
おかげで、かなり節約できた。
 
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初めてチリに行ったのは、15年ほど前だった。
 
そのときは、日本人が経営しているHOTEL NIPPONに泊まった。
 
向かいにJAPONという日本料理屋があり、当時はそこを含めてわずか数店だった。
 
しかし今は、あちらこちらに寿司バーのような日本食屋がある。
 
ホルヘが泊まったコンドミニアムから徒歩2分圏内に5~6店あった。
 
笑ったのは、TOKYOTOという店。
 
TOKYOという店はよく見かけるが、東京都というのは初めてだ。
 
もっとも今回は節約を心掛けたので、高そうな日本食は封印した。
 
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太平洋側のチリは魚介類が豊富。
 
中央市場には、新鮮なものがズラリと並んでいる。
 
しかし、前回書いたように包丁とまな板がないので、魚を買って調理することはしなかった。
 
ナイフでさばけそうなウニも売っていたが、市場内のレストランで以前食べたら、旨くなかった。
 
トゲトゲがないので、バフンウニの仲間だと思う。
 
しかし生をそのまま出してくるので、ホルヘの苦手なホヤと同じ香りがする。
 
ホヤの香りは、なぜか洗剤のような気がして好きになれない。
 
日本のウニは、むきっぱなしではなく、塩水で洗ったりミョウバンを使ったりと、
 
ひと手間加えてあるから旨いのだと思う。
 
 
 
今回も市場のレストランで食事をした。
 
写真を見て旨そうだと思った、貝類のスープを注文。
 
しかし相当煮込んであるようで、貝はパサパサ。
 
それならば、スープにはダシがたくさん出ているだろうと期待したら、
 
これがやたらと塩辛く、半分も飲めなかった。
 
どうも、この市場のレストランとは相性が悪いようだ。
 
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About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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