ホルヘの進化論

去年か一昨年に録画して持ってきた、ショコタンがガラパゴス諸島に行く番組を昨夜再び観た。
 
保存されているゾウガメの甲羅の中にショコタンが入り、カメさながらに四肢を出して踏ん張ったが、
 
「重くて持ち上がらない」といっていた。
 
ゾウガメはスペイン語でガラパゴといい、この諸島名の由来となっている。
 
諸島なのでいくつもの島があり、島によってゾウガメの甲羅の形が異なっている。
 
ドーム型と鞍型に大別され、ドーム型はお椀を逆さにしたような形で、
 
鞍型はカメの首の部分の甲羅が大きく上にめくれ上がっている。
 
 
 
この両タイプは元々同じドーム型だったが、エサが高いところにある島にいたカメは、
 
首を上げやすいように甲羅が変形したとダーウィンは考えた。
 
これがダーウィンの進化論の原点だ。
 
ホルヘもこの説を「なるほど」と思っていたが、昨夜ビデオを観てある疑問がわいた。
 
それは、「進化したのに、なぜ重たい甲羅をつけたままなのか?」ということだ。
 
亀の甲羅は、基本的に身を守るためだ。
 
しかしガラパゴスに天敵はいない。
 
暑さに対するものだとしても、あれほど重厚なものは必要ないはずだ。
 
もし正しく進化を遂げていたら、甲羅は小さく薄くなり、
 
より高いところのエサを食べるため2本足で立てるようになっていただろう。
 
その姿を想像すると、これはもはやカッパである。
 
ひょっとするとカッパ伝説の正体は、進化したカメだったのかもしれない。
 
 
 
ホルヘもガラパゴスに行ったことがある。
 
数年前まで漁船だったという小型船で島々を巡るツアーだった。
 
まずはエクアドルのグアヤキルから飛行機に乗る。ガラパゴスはエクアドル領なのだ。
 
ここの待合室は、さながら老人病院のようだった。
 
アメリカ人の高齢者が団体でいたからだ。ガラパゴスツアーは彼らに大人気だそうだ。
 
しかし島の環境は猛暑で厳しい。
 
知り合いだったエクアドルの首都キトにある五つ星ホテルのマネージャーによると、
 
そのホテルをベースにしてガラパゴスへ行ったアメリカ人高齢者が、
 
現地で亡くなるケースは珍しくないとのことだった。
 
 
 
初めて島に着くと、動物の多さに興奮する。
 
人口約2万人というガラパゴス最大の街プエルト・アヨラでも、野生動物がうようよしている。
 
海イグアナなどは東京のカラスみたいな存在で、次第に興味を失ってしまうほどだった。
 
 
 
その海イグアナについて、ホルヘは非常に貴重な体験をした。
 
乗船のため船着き場に行くと、数メートル先に1匹の海イグアナがいた。
 
暇つぶしに、「おいでおいで」をしてみた。
 
しゃがんで、股間の前で手をヒラヒラさせたのだ。
 
もちろん、そんなことで寄ってくるとは思っていなかった。
 
しかし、奴は突如ホルヘに向かって突進してきた。
 
体長1メートル以上の爬虫類が猛スピードで迫ってくるというのは恐ろしいものだ。
 
ビビってしゃがんだ姿勢から立ち上がると、ヒラヒラさせていた指に喰いつこうとジャンプしてきた。
 
これは1992年のこと。
 
おそらく54歳となった今の反射神経では、指をガブリとやられているだろう。
 
しかしこの話をしても、現地の人は誰も信じてくれない。
 
臆病なうえ海藻をエサとする海イグアナが、そんなことをするわけがない、というのだ。
 
しかし、これは真実。
 
だから、非常に貴重な体験だと思っている。