前回に引き続きメンドーサの話。
 
ボデーガ(ワイン醸造所)ツアーの翌日は、アンデスツアーに参加した。
 
ブエノスアイレスの知人から、アンデス行きは強く薦められていたのだ。
 
このツアーもボデーガ巡り同様、宿泊していたユースホステルで申し込んだ。
 
つまり、若者が対象になっている。
 
 
 
「アンデスの聖餐」というノンフィクションの本や映画がある。
 
これは、1972年にウルグアイのラグビーチームがチリ遠征の途中で搭乗機がアンデス山中に墜落したにも関わらず、
 
乗員乗客の約3分の1にあたる14名が、2カ月以上経ってから奇跡的に生還した事件を描いたもの。
 
雪に埋もれ何もない山中で、彼らは犠牲者の肉を食べて生き延びた。
 
その現場は、メンドーサから比較的近い。
 
 
 
5~6000メートル級の高峰が連なるアンデス上空は気流が不安定で、上空を飛ぶ飛行機が激しく揺れることがある。
 
そんなとき飛行機嫌いのホルヘは、この話を思い出してしまいチビりそうになる。
 
しかし、今回は陸路なので墜落の心配はない。
 
 
 
街から中型バスでアンデスを目指す。
 
アルゼンチンとチリを繋ぐ山脈越えの国道は、大型トラックが頻繁に通行している。
 
しかしこちらは観光目的なので、途中から国道を外れて曲がりくねった細い道へ入って行く。
 
ガードレールのない、下は急こう配の崖という道も通過するので、墜落はないが転落の危機に怯える。
 
ホルヘは、高所恐怖症なのだ。
 
 
 
アンデス行きを薦めた知人が参加したツアーは最後までバスだったそうだが、ホルヘのツアーは若者向けだけあり、
 
途中からトレッキングというか徒歩での登山があった。
 
トータルで2時間くらいは歩いた気がする。
 
 
 
季節は初夏だったが、その日は強風でたまに突風も吹く荒れ模様。
 
長袖シャツにペラペラのウィンドブレーカーという格好では、たちまち体温が奪われる。
 
標高が3000メートルを超えると、日は射していても、風によって体感温度が大幅に下がる。
 
これで日が隠れたり雨でも降れば、低体温症になっても不思議ではない。
 
やはり、山をなめてはいけない。
 
 
 
鼻水を垂らし震えながら一行に続いていくと、やがてアコンカグアの頂が見えてきた。
 
これは標高6962メートルという南米最高峰の山。
 
この山頂を望む絶好のスポットには、標高の記載された「アコンカグア州立公園」の看板があり、
 
そこで記念撮影をすると、あたかも頂上まで登ったような写真が撮れる。
 
 
 
ボデーガ巡りでは自転車故障、アンデス登山では強風というアクシデントがあったものの、
 
それらを乗り越えて若者向けツアーを無事終えたことで、まだまだ大丈夫という自信がついた。
 
 

 

 

 
 
 
ホルヘ・ミム~ラ
ラテンのフットボールを愛し、現在はDieguitoアルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。
取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企てては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。
ヘディングはダメ、左足では蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。
女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。


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ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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