円安ペソ安 ホルヘ三村 2013年4月12日 ホルヘ・ミム〜ラ 3回前のコラムで、アルゼンチンへクサヤを持っていったことを書いた。 そのせいか、日本を発つ前にクサヤを食べたくなった。 以前から聞いてはいたのだが、京王線の笹塚に、旨いクサヤを食べさせる店があるという。 そこは、伊豆諸島の食材や料理が売り物の「ばんやしおさい」。 それぞれの島の焼酎も充実している。 一般的に東京で売られているクサヤは、カチカチに干してあるものが多い。 しかし現地では、一夜干しのように柔らかくて箸で食べられるものがある。 ホルヘがクサヤにハマったのは、八丈島でこれを食べたからだ。 そして、この店も嬉しいことにソフトタイプだった。 それから、亀の手の塩ゆでも食した。 これはスペインではペルセベスという高級食材。 しかし日本産はあちらのものと違い、食べる部分である「手首」が短い。 なんだか、さっぱり喰った気がしなかった。 アルゼンチンではさすがにクサヤは作れないが、普通の干物なら可能だ。 今までも冷蔵庫内乾燥や天日&扇風機乾燥でそこそこのものを作ってきた。 今回はさらに上質なものを目指し、業務用の吸水シートを持ってきた。 これに包んで数時間置くと、シートが魚の水分を適度に吸い取り、絶妙の干物になるらしい。 それはさておき、今年のアルゼンチン生活で不安なのは円安だ。 1ドルが約80円だったのに、今は約100円になっている。 もっともペソも1ドル約4ペソから約5ペソへと下落したので、1ペソが約20円というのは変わっていない。 しかし物価上昇が激しく、タバコは9ペソから10ペソ、バス代は1.20ペソから1.70ペソ、 いつも買っているウィスキーが1本50ペソから64ペソ、バーのチャージが120ペソから150ペソに上がっている。 これらは事前に分かっていたので、対応策としてドルを現金で持ってくることにした。 これまでは、日本の銀行の預金を国際キャッシュカードで下していたのだが、その場合はオフィシャルレート(現在1ドル=約5ペソ)になる。 アルゼンチンは深刻な外貨不足に陥っており、海外旅行などの正当な理由がなければ、一般人は外貨を買うことができない。 そして実際のペソの価値は、オフィシャルレートよりはるかに低くなっているという。 そうなると、闇レートなるものが生まれる。 現在は闇レートだと1ドルが約8ペソだという。 これで交換すれば、1ペソは約12.3円となり、物価上昇分を差し引いても、昨年の状態を上回る。 しかし闇の両替には怪しげなのも多く、偽札を掴まされることもあるらしいのでちょっと怖い。 Tweet