珍しい退場劇 ホルヘ三村 2013年6月14日 ホルヘ・ミム〜ラ 6月7日と11日にW杯予選が行われ、アルゼンチンはホームにコロンビアを迎えた後、 高地のキトでエクアドルと戦った。 7日の第13節開始前の順位は、1位がアルゼンチン、2位エクアドル、3位コロンビアだった。 コロンビアは98年フランス大会以来W杯から遠ざかっており、エクアドルは02年韓日大会が初出場。 したがって、この両国が揃って本大会に出場したことはない。 ホルヘはエクアドルとコロンビアが好きなので、当然そちらを応援した。 アルゼンチンには負けてもらったほうが面白い。 コロンビアの監督は、元アルゼンチン代表監督のペケルマン。 一度彼にインタビューを申し込んだら、ホルヘの家まで来てくれて実に丁寧に答えてくれた。 それで彼の大ファンになったので、なおさらコロンビアに勝ってもらいたかった。 キックオフ直前、ベンチにいる彼を撮影に行くと、ホルヘに気づいて微笑んでくれた。 そこでこちらも、「スエルテ(幸運を)」の言葉を送る。 試合は故障明けのメッシがベンチスタートながら、アルゼンチンがいくつもの決定機を作った。 しかしコロンビアGKがスーパープレーを連発し、本当に、幸運にも0-0で引き分けた。 一方、エクアドルは不運。 第13節はペルーに敗れ、得失点差で3位に後退。 ここまでホーム全勝なのでアルゼンチンも倒したいところだったが、開始直後にPKで先制される。 すぐに追いつき、CKを約20回得るほどの猛攻を続けるが追加点は奪えなかった。 この試合で85分にマスチェラーノが退場になった。 しかし、なぜ退場になったのかわからない。 彼は救護班のカートに乗ってピッチから運び出されたのだが、 カートから降りたところでレッドカードを突き付けられた。 ビデオで見ると、カートの上で運転手の背中を蹴っていた。 退場の原因としては、非常に珍しいケースだ。 ホルヘははじめ、運転手がマスチェラーノを挑発したのかと思った。 以前、エクアドルのバルセロナを取材したとき、似たようなことを目の当たりにしたからだ。 コパ・リベルタドーレスの試合で、倒れている相手選手に近づいた救護班が、なにやら悪態をついた。 そして相手が怒って立ち上がると、頭突きを受けたように見せかけ大げさに倒れ込んだ。 相手を退場に追い込むための作戦だ。 主審が一部始終を見ていたため作戦は成功せず、逆にその係員がグランドからから追い出されたが、 エクアドルの救護班は油断も隙もない。 しかしマスチェラーノによるとそうではなく、 時間を稼ぐために「カートをゆっくり動かしてくれ」と運転手に頼んだが、 それを無視して急いで運び出したので腹が立った、とのこと。 彼は切れやすい性格で、退場を命じられた後も烈火のごとく怒りまくり、なかなか去ろうとしなかった。 しかし試合後は、「バカなことをした」と反省しきりだった。 Tweet