王国の高校生、“3年間”の集大成 土屋 雅史 2013年8月30日 土屋雅史 先日、静岡が誇る高校年代の国際大会、 SBSカップ国際ユース大会に行ってきました。 今回で37回目という歴史ある大会の最終日に開催されたのは、 勝った方が優勝という、“決勝戦”。 U-18ウルグアイ代表とU-18ロシア代表を共に倒し、 2連勝となったU-18日本代表と静岡ユースが、 最後の1試合で雌雄を決します。 この静岡ユースはその名の通り、 静岡県のチームに所属する選手だけで構成されたチーム。 今回は清水エスパルス、ジュビロ磐田のJクラブと、 静岡学園、藤枝東、浜松開誠館の高校勢から精鋭が集い、 いわば“ホーム”でタイトル獲得を目指して結成されたチームなんです。 ただ、関係者から話を聞いた所によると、 今回の静岡ユースは3年前の山口国体で 見事に全国優勝を成し遂げた選手たちを中心にしたチームということで、 チームを率いているのも当時から指揮を執っている廿日岩亮監督。 その廿日岩監督曰く 「国体をスタートとして約3年間僕が監督をやらせてもらいましたけど、 その集大成ということで、最後に優勝を懸けて 日本の代表と県選抜のラストゲームをやれるというのは これ以上ない幸せなことだと思う」とのこと。 試合前には「静岡の誇り」「静岡の魂」という部分を強調して このチームで迎える“ラストゲーム”のピッチへと 送り出したという話もしてくれました。 三浦弦太や松本昌也など、J1での試合出場経験を持つ “早生まれ”のJリーガーもメンバーに名前を連ねている U-18日本代表に対して、全員が高校生で構成された静岡ユースは、 前半から互角に近いゲームを披露。 何回か決定機を創り出し、ホームの観衆を沸かせます。 後半も押し込まれる時間を強いられながら、 懸命に耐えつつ、機を見たカウンターで応酬するなど、 王国の名に恥じない戦いぶりを続け、 終盤まで試合は0-0で推移。 しかし、大会規定によるPK戦での決着が濃厚かと思われた終了間際の79分、 一瞬の隙を突かれて失点を許すと、もう時間は残っておらず、 残念ながら“ラストゲーム”で優勝を勝ち取ることはできませんでした。 試合後の会見で「結果は残念としか言いようがないんですけど、 内容的な部分も選手は本当に良くやってくれて、 今までのこのチームの中でも 最高のゲームができたんじゃないかと思っています」と語った廿日岩監督。 “代表”相手に素晴らしい戦いを繰り広げた静岡ユースには、 エコパに集まった7000人を超える観衆からも 小さくない拍手が送られていました。 「自分自身も本当に彼らに助けられて、 国体から始まって今日のSBSの最終戦を迎えるまで、 すごくいい経験をさせてもらいましたので、 そういう意味で選手たちには『ありがとう』という言葉を言いたいです」と 会見の最後に力をこめた廿日岩監督。 確かに彼らの中には“王国”だけが持ち得るプライドが しっかりと息づいていた様に、私には見えました。 彼らの今後にも是非期待したいと思います。 写真 写真は試合前の両チームです。 Tweet