先日、T3リーグの優勝決定戦に行ってきました。
 
ここでは何回かご紹介していますが、“Tリーグ”というのは東京都の高校年代におけるリーグ戦。
 
T1=1部、T2=2部、T3=3部というピラミッドがあり、
 
このゲームは2ブロックに分かれた3部のそれぞれのブロック1位が対戦する、
 
言わば統一王座決定戦のような一戦。
 
勝った方がT3王者に輝くという大事なゲームでした。
 
 
 
この栄えある舞台に勝ち上がったのは、正則学園高校と東京農業大学第一高校。
 
ただ、正則学園は選手権予選都大会を控えており、
 
3年生を中心に構成されていたものの、農大一は既に選手権地区予選で敗退していたため、
 
今回のゲームは新チームになって初めての公式戦という位置付け。
 
選手たちも1,2年生のみで構成されたチームです。
 
 
 
ゲームは序盤からフレッシュな農大一が押し込む展開。
 
前半25分までに2点を奪い、ゲームを優位に進めると、
 
前半終了間際に1点こそ返されましたが、
 
後半は押し込まれる展開を何とか耐え、
 
そのまま2-1で聞いた試合終了のホイッスル。
 
農大一が新チームの船出を飾る見事な優勝を達成。
 
試合後はゴールの前に集まり、みんなで騒ぎながら記念撮影に応じる一幕もあり、
 
トータルで非常に良い“現場”でした。
 
 
 
実は来シーズンからTリーグも改編が予定されており、
 
新たにT4リーグが創設されることに。
 
これに伴い、T2リーグが従来の2ブロック制から1ブロック制になるため、
 
一番割を食ったのが現在のT3リーグ。
 
なんとチーム数の関係で、昇格枠が1つもないんです。
 
それはシーズン前からわかっていたこととはいえ、
 
結果に見合った対価があらかじめないという状況で
 
毎試合毎試合戦うことは、決して簡単なことではなかったと思います。
 
それでも勝っても昇格のない一戦に臨んだこの2チームの選手たちは、
 
そんな背景など微塵も感じさせず、持てる力をぶつけ合って、素晴らしい90分間を見せてくれた訳です。
 
 
 
あえて暴論気味に表現すれば、大人が決めたルールを「受け入れて」、
 
目の前の試合にすべてを注ぎ込んでいた高校生たち。
 
それが全てではないでしょうし、多くの葛藤をきっと抱えながらプレーしていた高校生を
 
必要以上に美化する気持ちも毛頭ありません。
 
それでも、現在その新しいフォーマットについて
 
多くの議論が巻き起こっているリーグがある中で、
 
この日の彼らや彼らを取り巻く周囲の“姿勢”からは、色々なことを考えさせられました。
 
 
 
sigakudan0913
 
写真は優勝決定戦の試合前です。
 
 
 
サッカー界のオモシロご長寿番組「Foot!」でディレクターを務めた後、制作部プロデューサーへ(昇進か?!)。国内外問わずサッカー全般に関する知識はハンパない、Dieguito周辺では「博士」の称号を得ている博識人。スタジアムから土のグラウンドのピッチ横までジャンルを問わないサッカー観戦と、テレビ前でのサッカーウォッチングツアーはお勤めの会社への忠誠心だけでは無いはず!そこにはサッカーへのLOVEがある!溢れる知識と独自のサッカー観であなたの「見るサッカー」に彩りを添えちゃいます!