「受け入れる」ということ 土屋 雅史 2013年9月20日 土屋雅史 先日、T3リーグの優勝決定戦に行ってきました。 ここでは何回かご紹介していますが、“Tリーグ”というのは東京都の高校年代におけるリーグ戦。 T1=1部、T2=2部、T3=3部というピラミッドがあり、 このゲームは2ブロックに分かれた3部のそれぞれのブロック1位が対戦する、 言わば統一王座決定戦のような一戦。 勝った方がT3王者に輝くという大事なゲームでした。 この栄えある舞台に勝ち上がったのは、正則学園高校と東京農業大学第一高校。 ただ、正則学園は選手権予選都大会を控えており、 3年生を中心に構成されていたものの、農大一は既に選手権地区予選で敗退していたため、 今回のゲームは新チームになって初めての公式戦という位置付け。 選手たちも1,2年生のみで構成されたチームです。 ゲームは序盤からフレッシュな農大一が押し込む展開。 前半25分までに2点を奪い、ゲームを優位に進めると、 前半終了間際に1点こそ返されましたが、 後半は押し込まれる展開を何とか耐え、 そのまま2-1で聞いた試合終了のホイッスル。 農大一が新チームの船出を飾る見事な優勝を達成。 試合後はゴールの前に集まり、みんなで騒ぎながら記念撮影に応じる一幕もあり、 トータルで非常に良い“現場”でした。 実は来シーズンからTリーグも改編が予定されており、 新たにT4リーグが創設されることに。 これに伴い、T2リーグが従来の2ブロック制から1ブロック制になるため、 一番割を食ったのが現在のT3リーグ。 なんとチーム数の関係で、昇格枠が1つもないんです。 それはシーズン前からわかっていたこととはいえ、 結果に見合った対価があらかじめないという状況で 毎試合毎試合戦うことは、決して簡単なことではなかったと思います。 それでも勝っても昇格のない一戦に臨んだこの2チームの選手たちは、 そんな背景など微塵も感じさせず、持てる力をぶつけ合って、素晴らしい90分間を見せてくれた訳です。 あえて暴論気味に表現すれば、大人が決めたルールを「受け入れて」、 目の前の試合にすべてを注ぎ込んでいた高校生たち。 それが全てではないでしょうし、多くの葛藤をきっと抱えながらプレーしていた高校生を 必要以上に美化する気持ちも毛頭ありません。 それでも、現在その新しいフォーマットについて 多くの議論が巻き起こっているリーグがある中で、 この日の彼らや彼らを取り巻く周囲の“姿勢”からは、色々なことを考えさせられました。 写真は優勝決定戦の試合前です。 Tweet