先週東京で行われていました、国民体育大会、通称“国体”。
サッカー競技は少年男子、成年男子、女子と
全部で3つのカテゴリーに分かれており、
各地域予選を勝ち抜いた都道府県代表が、
優勝を目指して最大5連戦となるハードな日程に挑戦。
私は少年男子の準決勝と決勝を取材してきました。
以前は国体の少年男子というと、
高校生のオールスターという印象もありましたが、
現在のカテゴリーはU-16に変更されており、
メインとなる世代は早生まれの高校2年と高校1年に。
チームによっては中学3年も含まれるなど、
ある意味では育成年代のショーケース的な大会へと変化。
出場選手もJリーグのクラブユースに所属する選手が
多数含まれるようになっていて、ここを取材しておけば
10年近くは楽しめるという“お得感”満載の大会なんです!
もう1つ今回の大会で注目されていたのは、「東京から東京へ」。
実は先日開催が決定した東京オリンピックの開催年は2020年。
国体は前述したようにU-16のカテゴリーで争われるため、
この大会に出場している選手の大半は、
7年後の東京オリンピックを見据えるとドンピシャの世代なんです!
準決勝の第1試合はFC東京と東京ヴェルディの連合軍的な東京都が、
京都サンガを中心とした京都府に延長で勝利。
第2試合はこちらもガンバ大阪とセレッソ大阪の連合軍的な大阪府が、
尚志とJFAアカデミー福島の選手で構成された福島県を5-1で粉砕。
決勝の組み合わせは東西の最強軍団対決になりました。
味スタで11時30分にキックオフを迎えたファイナルは、
立ち上がりから大阪府がラッシュ。
ガンバ大阪ユースの小田垣旋とセレッソ大阪U-18の岸本武流で
組んだ2トップは、まさに“柔と剛”といった印象。
特に“柔”の小田垣は準決勝までの3試合すべてで2ゴールを奪うなど、
その得点感覚もさることながら、利き足の左を駆使したテクニックもハイレベル。
7年後への期待を非常に感じさせる選手でした。
ただ、東京都もFC東京U-18に所属するCBの渡辺拓也を中心に
粘り強く守り続けると、後半にワンチャンスで先制。
ゴールを決めたのは横浜F・マリノスユース所属の小松駿太。
元々東京出身の小松は、東京都と神奈川県の
両チームから出場を打診されたそうですが、
「迷ったけど開催地どうこうじゃなくて、小中学生と僕を育ててくれた東京に
恩返しするために、東京都での出場を決めた」とのこと。
そしてその恩返しの一撃が決勝ゴールとなり、
東京都が見事に地元開催のプレッシャーを跳ね除け、頂点に立ちました。
この大会に向けて5年に及ぶ準備期間を経て、
最高の結果を勝ち取った東京都のイレブン。
試合後に嬉し泣きが止まらない選手や、監督が胴上げされる姿を見て、
「やっぱりサッカーっていいなあ」と改めて再確認させてもらいました。
写真は決勝戦直前に整列している両チームです。